マツダは、11月30日に開幕するロサンゼルス自動車ショー(LAショー)で、新型Mazda3を世界初公開すると発表した。期待の新モデルのティーザー画像が公開されている。ここからなにが読み取れるだろうか?
マツダがロサンゼルスで、革新的なエンジン、スカイアクティブXエンジンを搭載する次期アクセラの発表をする、というのは以前からわかっていたことだ。新しいプラットフォーム、スカイアクティブ・ビークルアーキテクチャー(SKYACTIV-Vehicle Architecture)を採用する、マツダにとって新世代商品群の幕開けとなる重要なモデルである。
次期アクセラが魁(KAI)コンセプトベースのデザインになることはすでに知られているが、公開されたティーザー画像と魁コンセプトをまずは比較してみよう。
とその前に、マツダから出たプレスリリースをじっくり読んでみよう。
マツダ株式会社(以下、マツダ)は本日、2018年11月30日から12月9日まで開催されるロサンゼルス自動車ショー*において、新型「Mazda3」を世界初公開することを発表しました。
新型Mazda3は、日本の美意識の本質を体現することを目指す深化した「魂動デザイン」を採用。また、人間の持つバランス能力を最大限に引き出すことを追求した新世代車両構造技術「SKYACTIV-Vehicle Architecture(スカイアクティブ・ビークル・アーキテクチャー)」や、さまざまな走行シーンで意のままの加減速を可能にする最新の「SKYACTIVエンジン」などを搭載し、クルマとしての基本性能を飛躍的に向上させています。
マツダは、この新型Mazda3から新世代商品の幕を開け、新たな次元の「走る歓び」をお客さまにお届けします。
あれ? どこにも「アクセラ」と書いていない。あくまでも登場するのは「新型Mazda3」であって「新型アクセラ」ではないのだ。
ためしに過去のリリースを見てみよう。
これは2018年2月にマツダが出したリリースの文章だ。
マツダ株式会社(以下、マツダ)は、商品改良した「Mazda6(日本名:マツダ アテンザ)」のワゴンモデルを、3月6日から18日まで開催されるジュネーブモーターショー*1において、世界初公開いたします。
ちゃんと「Mazda6(日本名:マツダアテンザ)」と書いてある。
念のため、もうひとつ見てみよう。これは2017年のLAショーでのプレスリリースだ。
マツダ株式会社(以下、マツダ)は、商品改良した「Mazda6(日本名:マツダ アテンザ)」のセダンモデルを、12月1日から10日まで開催されるロサンゼルス自動車ショー*1において、世界初公開することを本日発表しました。
やっぱり「Mazda6(日本名:マツダアテンザ)」と書いてある。
ということは……間もなく発表されるニューモデルは「Mazda3」であって「アクセラ」ではないのか? まさかそんなことはないはずなので、順当に考えると、日本名はないということなのだろう。つまり、次期アクセラ=「Mazda3」。日本名もMazda3(マツダ3)になることを示唆しているのではないか? 深読みしすぎかもしれないが。
さて、冒頭にあるティーザー画像を再度見てみよう。
まずわかることは、当然だが、新型Mazda3には、「4ドアセダン」と「5ドアハッチバック」がある、ということ。現行のアクセラは、4ドアセダンが「アクセラ」で5ドアハッチバックが「アクセラスポーツ」だから、新型Mazda3もふたつの車型がある、ということだろう。
セダンとハッチバックではリヤドアのガラスのグラフィックがちょうど上下ひっくり返すと同じように見える処理が施されている。
ちょっと明るくしてみよう。
魁コンセプトと新型Mazda3の同じ部分をアップにしてみる。
まず、リヤドアのグラフィックは魁コンセプトとほぼ同じ。
ドアハンドルは、魁コンセプトから常識的な形状に変更されている。おそらくサイドビューミラーも同様だろう(ミラーレス仕様があるか?)。
リヤフェンダーアーチ側面のフラット部分が新型Mazda3ではひろくなっている。タイヤサイズは、魁コンセプトの方が大きそうだが、これはコンセプトカーだから当然だ。
リヤバンパーの形状は、Mazda3では衝突安全基準も考えて常識的な形状になっている。したがって、リヤのオーバーハングは魁コンセプトよりだいぶ長い。
リヤランプの形状は、魁コンセプトからだいぶ変わっている。魁コンセプトのリヤランプが個性的で美しかったので、少し残念だ。また魁コンセプトではなかったリヤバンパーとリヤフェンダーの境にパーティングラインが見てとれる。これも生産を考えると当然のことだろう。
とはいえ、魁コンセプトで特徴だったCピラー周りのデザインはMazda3にも上手に引き継がれている。
発表まで20日あまり。早く全貌が見てみたい。