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デンソーの技術が農業へ!ハウス内の環境制御システムが未来を創る


グローバルな自動車部品サプライヤーとして知られるデンソーだが、実は農業分野にも参入している。農業資材販社トヨタネとデンソーとが共同開発した「プロファーム コントローラー」に使われている技術をご紹介しよう。


TEXT:川島礼二郎(KAWASHIMA Reijiro)

 クルマを中心としたテクノロジーを中心に扱う当サイト読者にも、日本農業の危機的状況は伝わっていることと思う。就農人口の減少と就農者の高齢化が進んでいる。それと同時に農業のグローバル化が進み、価格競争にも巻き込まれている。そうした背景を打破すべく、農業分野では新技術の投入による生産性の向上や高効率化を目指して、様々な取り組みが行われている。




 今回ご紹介する「プロファーム コントローラー」は、そうした新しい取り組みの一つ。愛知県豊橋市を本拠地とする老舗の農業資材販社とデンソーとが、そんな日本農業の再生に貢献すべく立ち上げた新ブランド"Profarm"の1製品として共同開発された。


「プロファーム コントローラー」は、簡潔に表現すると、"環境制御システム"に該当する。ハウス内外の環境要因をリアルタイムに計測して、実装された制御プログラムに基づいて、ハウス設備・空調設備をコントロールする、統合環境制御装置である。





 通信機能が標準搭載されておりインターネットを経由したクラウドサービスが利用可能。自宅のPCやスマホ・タブレットでハウス内の状況を確認したり、設定値を変更できる。そのインターフェイスは使いやすさにも配慮して開発。設定・管理が簡単で分かりやすく、制御の状況・経過・結果が見やすい仕様だ。そして、冷暖房制御・炭酸ガス制御・湿度制御が遠隔で可能だ。





 では、デンソーが培った技術が何処に使われているかと言えば、それはコントローラ本体。自動車のエンジンやエアコンは、エンジン内もしくは車室内の環境と外部環境をセンシングし、省燃費でクリーンなエンジン燃焼や快適な室内環境を作り出すため、きめ細かな制御を行っている。その技術を農業ハウスの環境制御に応用している。そのうえコントローラ本体は、過酷なハウス内環境下に耐えうる高い耐久性を有している。




 「プロファーム コントローラー」は、2018年5月時点で既に約150件の導入実績がある。生産者からは、導入した結果、「収量増に加え、ハウスの「見える化」、作業時間減などの効果を実感できる」という声が届いているそうだ。今後の進展に期待したい。

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