eSPエンジンによる優れた燃費性能と、14インチホイールによる抜群の安定性、荷物をたっぷり詰める大容量シート下スペースなどなど、街乗りにとって必要な要素を満たしたPCX。125ccであるこのモデルをベースに152cc化したものが、この「PCX150」である。いざとなったら高速道路も走れる、実に頼り甲斐のある存在だ。
ホンダ PCX150
36万720円 ※ツートーンは37万1520円
■■実力分析結果■■
・加速力……………………………7Point
・最高速……………………………7Point
・実用性……………………………8Point
・コストパフォーマンス……7Point
モアパワーか、維持費か? 150の良さを見極めよう
125㏄クラスの中で圧倒的な人気を誇るPCXのエンジンを152㏄に拡大したのがこのPCX150だ。車体構成は125モデルとほぼ同じで、見た目ではエンブレムくらいしか差はない。だけど、この違いで高速道路が走れるのだから最大のメリットと言えるだろう。
2割増しとなった排気量分のトルクがあるからどの速度域でも力強いし、当然速い。登坂能力だってこちらが上。幹線道路を流してもパワー不足を感じることはない。と、細かく分析していけば良いこと尽くめだけれど、125㏄モデルよりこちらの方が絶対にオススメかというとまた別の話だ。
それは、125㏄モデル自体があまりに完成され過ぎていることに起因している。エンジンもスムーズで良くも悪くも主張しない特性なため、両車を同時に乗り比べてみないとPCX150だけの良さが見えてこないのだ。誤解を恐れずに言えば、何も知らずに150に乗った場合「調子の良いPCX(125㏄)だなぁ!」と感じてしまうフィーリングなのである。
だから、PCXに限って言うと高速道路は使わずに燃費と維持費を優先するのであれば125㏄で十分。いざという時を想定して高速に乗ることを考えておきたいとか、少しでも余裕のある走りを楽しみたいというのならPCX150をぜひオススメする。ちなみに、比較対象が同クラスであればコイツのクオリティは間違いなく上位である。(後藤 武)
後藤 武>>>
オートバイ誌クラブマン元編集長。顔に似合わず繊細な感覚の持ち主で、各車の違いを読み取る。
佐川健太郎‘S IMPRESSION
PCXの魅力が増した!
「静かでスムーズなエンジンは125cc版と同様だが、ひと回り太いトルクのおかげで車体のキレ味が違う。PCX本来の運動性能を引き出せる割に燃費もそう変わらないのが嬉しいところ。さらに、コンビブレーキの入力がコントロールしやすく効き目も秀逸!」
佐川健太郎>>>
バイクジャーナリスト、「ライディングアカデミー東京」校長、日本交通心理学会員などいくつもの顔を持つ。愛称はケニー佐川。
Specifications
■全長×全幅×全高 1930×740×1100㎜ ■シート高 760㎜ ■車両重量 131㎏(装) ■総排気量 152㏄ ■エンジン種類 水冷4ストOHC ■最高出力 14ps(10kW)/8500rpm
■最大トルク 1.4㎏m(14N・m)/5000rpm ■燃費 45.6㎞/ℓ ■燃料タンク容量 8ℓ ■ブレーキ (前)ディスク(後)ドラム ■タイヤサイズ (前)90/90-14(後)100/90-14 SPEC
※(乾)は乾燥重量、(装)は装備重量です。
※燃費はWMTCモード値です。
モトチャンプ監修
大量試乗コメント付きスクーターバイヤーズガイド の 2017-2018年版。
スクーターを狙っている人必見の参考書!
「使い勝手リアル解剖」と称して、収納スペースの比較や燃費テスト、GPSロガーを用いた加速性能テストなど雑誌ならではの企画が目白押しです。