東京ビッグサイトの東ホールの突き当たりがホール7&8。ここには、ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキという世界に誇る2輪メーカー(カワサキ以外は4輪車も出展)がブースを構えている。まずは、ホンダ。2台のEVコンセプトがステージに展示してあった。
ー次はホンダのスポーツEVコンセプトです。
難波「フランクフルトで出したアーバンEVコンセプトに引き続き、新しい東京モーターショーで出した、スポーツEVコンセプト、です。まあ、2台セットで語ったほうがいいと思うんですけど、やっぱり自動車がEVとか自動運転とかに変わってきたときに、今までと違う価値観というか……付加価値というか、違う商品だということを、“電気で動く違う商品“だということを表わしたもので、どっちかっていうと家電っぽい作り方をあえてしているんじゃないかと思います。それのスポーツタイプなわけです。だけどEVでエンジンがないから、ボンネットの辺りわざと穴も開けているんですけど、さすがにあれはちょっと、やり過ぎだとボクは思いますね。あれ、意味がないですから。下から空気抜けるようになっているんですかね。そうであればね、いいですけど」
ーそんな感じはしませんけど。
難波「普通の内燃機関を積む自動車の場合は、スポーツカーの場合はあそこにラジエーターなんかがあって、空気をうまく取り入れて出す。それでエンジンを冷却するわけです。でも。EVだと、その意味はないんですからね。まあ、あそこにエンジンがありませんってことを象徴的に言いたかっただけなんだと思います。まあ、子どものトイみたいな感じで面白い扱いをしていると思いますよ。若い人たちなんかは意外とこういうの好きなんじゃないですかね。特にクルマが大好きっていう人たちじゃなくて、新しい感性を持った若い人たちっていうのは、こういうクルマは、すごく敏感に響くんじゃないかな。あとね、ホンダは、ああいう充電装置にまで(といって、展示されていた充電装置を指さす)一緒に提案しているところは、やっぱりいいなって、いつも思うんです」
ーデザイナーとしては、ああいう周辺のものもデザインしたいものですか。EV作るんだったら。
難波「そうですね。そこまで1セットなんじゃないかと、いつも思っているんですけど」
ーこれ、アーバンEVコンセプトとライトが同じじゃないですか。丸目で、コンセントみたいなデザインで。こっち(Urban EV Concept)はわりと白い、でもこっち(Sports EV Concept)はアンバーじゃないですか。なんでだろう?(ヘッドライトの色が2台で違うことを非常に気にするスズキ)。
難波「ちょっとわかりませんけど、そうやって言われるとホンダ(のHマーク)の周りのブルーも色が違うし、これはただ、あんまりコントロールされていないだけじゃないですかね」
ーなんか、意味があるわけではないのかな。
難波「ええ。そういう感じですから。でも、これは新しい感性として面白い提案だなって思いますけどね」
ーなんとなくこっち(Sports EV Concept)の方が、新しいんだけど、クラシックに見せたいのかなって気がボクはしたんですけど。昔のスポーツカーのあったかい色味にしたかったのかなって。こっち(Urban EV Concept)は完全に家電じゃないですか。
難波「よく、ダダダダダダッ……うるさい(鼓笛隊が入ってきた!)。よく、これくらいの大きさで、ただただ木で作って、まあ子ども用じゃないんだけど、それを大人が買うんだけど、ちょっと象徴的なシルエットで作ったおもちゃがあるじゃないですか。おもちゃっていうか、置物っていうか。それっぽい考え方に近いのかなって思ったんですけどね。あんまりこう、クラシックな、スポーツカーのきれいな、うねりが好きな人のためにとかっていうんじゃなくて、雰囲気を出しつつ現代化したとか、シンプル化するとかそういう感じをボクは受けましたね。
ーこれは、アリですか。
難波 うん。アリだと思いますよ。ボクの好き嫌いは別として(笑)。あると思う。これは必ず出てくる提案。ある意味ホンダらしい。ロボット、ASIMOみたいな同じ世界観ですよ。
さて、次は今回も4輪のコンセプトカーを出展したヤマハです。