ドイツのサプライヤー、GKNドライブラインは、フランクフルト・モーターショーで新しい電動ドライブ・コンセプトを発表した。キモは2段変速機をインテグレートしたところにある。
GKNドライブラインが発表した新しい電動ドライブ・システムの名前は、eTwinsterXという。eTwinsterXはこれまでの電動ドライブシステムに対して3つの大きなアドバンテージがある。まずひとつは、同軸上にモーターと変速機、デファレンシャルを並べた構造は、同程度の出力の他のシステムと比較して圧倒的に小さい。
eTwinsterXは、最適な効率で運転するために2速トランスミッションを持つ。最適効率で運転するために適切に変速できるのがふたつめのポイントだ。もちろん、変速はシームレスに行なわれる。
電動ドライブで、モーターと高効率のトランスミッションを組み合わせる試みは各社が研究開発を行なっている。モーターとCVT、モーターとDCTなど、各社トライを重ねている最中だ。
GKNは、すでにBMW i8用にEV用の2速トランスミッションを開発・生産している。今回のeTwinsterX用の2速トランスミッションは完全新開発だ。
そして3つめはGKNがすでにTwinsterで実現している、トルクベクタリング技術だ。操縦性安定性において高いスタビリティと安全性を実現できる。
eTwinsterXは、ピュアEVの主駆動用(前輪駆動or後輪駆動)にも使えるし、エンジン車の従動輪(FF車なら後輪、FR車なら前輪)に使ってPHEV化することもできる。GKNは、これまでもBMW i8、ポルシェ918スパイダー、ボルボXC90、BMW2シリーズアクティブツアラーなどにeDriveコンポーネントを供給している。
GKNドライブラインは、2017年末からeTwinsterXを搭載したデモカーを披露する予定だ。デモカーは、既存のモデルにeTwinsterXを搭載し、PHEVにしたものになる。18年初めにはテストプログラムを開始するとしている。