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4代目ボクサーOH!〈スバル・レガシィ〉10万km、20万kmを超え、リアルになってきたオーバーホールの話


BP/BLのオーバーホールチェックポイント


4代目レガシィのエンジンOH






シムスレーシング 遠山センセ


過走行車でなくても、いずれやってくるその時に向けて、予算感を知っておきたいのが、エンジンオーバーホールの費用。


10万円〜30万円というレベルで済むわけがないとはわかっているものの、実際にどのくらい費用がかかるのか知らないユーザーも多いだろう。


そしてそもそも、自分のレガシィにエンジンオーバーホールが必要な問題が発生しているのかどうかも、気になるところ。


まだまだBP/BL のオーバーホールは少ないということから、先達であるBH/BE のオーバーホールを参考にしつつ、シムスレーシングで聞いてみた。


水平対向エンジンだから起こりうる症状はある なにをきっかけにオーバーホールにいたるのか?



レガシィが先か、オーナーが先かはたまたこの2つの相乗効果かわからないが、その生い立ちに対して正しくグランドツーリングカー的な使われ方をされることの多いレガシィ達。


となると積み重なるのは走行距離だけではなく、エンジン・パワートレイン系の消耗度。


さてそんなレガシィのエンジンオーバーホール(OH)のきっかけについて、シムスレーシングの遠山さんに伺ってみた。


「まず個別の症状を言う前に、水平対向エンジンの宿命として、、ピストンが寝ている状態で摺動するので、スラスト方向側面にストレスがかかり、ダメージを受けるというのが確実にあります」。


そのダメージは水温管理、オイル管理などで緩和させることはできるが、いずれ蓄積され、OHは必要になる。


これらのメンテナンスは大事なことだが、永遠はないのだ。


「そしてガスケット系の劣化により、オイルにじみが始まります。これも経年変化で避けては通れません。そうなればエンジン自体は動いていても、最終的に車検に通らなくなるので、開けて修理するしかない」。


ちなみに6気筒エンジンはエンジン本体ではなく、チェーンケースOリングが固くなりオイルが漏れる。


ケースだけを外して交換するスペースがないので、エンジン脱着して交換して20万円。


OHはおおよそ70万円。さてその金額差をどう考えるか。


スラスト方向のダメージ



これはエンジンが動いている限りは完全にゼロにはならない症状なので、長い目で見れば仕方がない部分。

使える状態のものも多いが、OH 後の走行距離を考えて新品交換する場合がほとんど。


オイルにじみが生じる



写真はエンジン左右にあるロッカーカバーからのオイル漏れ。

ゴム製のガスケットを使用しているため、硬化してオイルにじみ、オイル漏れを生じる。

このほか、オイルポンプ部のオイルシールや、エキゾースト側のカムのオイルシール部分などからのオイル漏れもある。


エンジン内部コンディション



エンジンの底にあるオイルパンをはぐりオイルストレーナーなどを外した写真。

クランクとコンロッドを分解するとジャーナルのメタルの状況が確認できる。

オイル管理の状況が見て取れる部分でもある。


ガスケットの劣化



上は冷却水のパイプを外したところ。

Oリングは固くなって水漏れを誘発する。

ツメが折れてしまうことも。

下は独立したガスケットをもつプラグホール。

ダメになるとオイル溜まりができていることも。



容積を測るために簡易的に片側だけ洗浄されたヘッドまわり。

オイルスラッジが溜まるとバルブの動作にも支障をきたし、バルブステムシールに損傷をうけたりすることもある。


10万km は一つの目安。完調を確認したい


ライトチューンであってもチューニングエンジンならさらに気を使うべき



「うちに声がかかるというと、電話もありますが、イベントなどで相談されることも多いです。その場合、現場で対応というのは難しいので、後日ご来店いただいて、という流れになりますね」と遠山さん。


多いのは、オイルにじみがひどくなって、持ち込まれるケース。


そして、明らかにおかしい音がする場合など。


こちらはメタルが流れてしまったケースや、ピストンの棚落ちといったケースも考えられるという。


「ご本人で判断が難しい時には、、もうその後はセルすら回さない、エンジンをかけない、クルマは動かさないのがイチバンなんですが、なんとか走ったからと乗ってきてしまいがちなんです。どのみちエンジンを開けないとならない場合が多いですが、それでもそうなるとダメージ箇所が増えてしまうこともあるので、もったいない」。


シムスに入庫すると、まずはエンジンの検査が始まる。


このメニューは一律1万5000円(OH時にはサービス。点検箇所が増えてきたので今後は値上がりの可能性もあるとのこと)で、各シリンダーのコンプレッション測定、プラグホールからスコープによるピストンヘッドやシリンダーの目視点検も行われる。


「エンジンブローの原因はメタルの摩耗が一般的です。チューニングしたエンジンだと、棚落ちも多い。ただし、そのきっかけはセッティングだけではなくて、燃料ポンプの不調や、コーナーで高Gがかかった際に燃料が偏るなどでの、ガス欠症状だったりするので、一概にはいえませんが」。


ピストンの棚落ちは対岸の花火ではない



ピストンが破損した姿が崩れた棚のようにみえることからそう呼ばれる棚落ち。

不整燃焼などが原因で起こる。

欠けてしまうと圧縮が落ちたりするが、意外とエンジンはかかることもある。

当初は多少打音がする程度だが、発する音がだんだん大きくなっていく。



こちらトップリングとセカンドリングの間、セカンドランドが欠けてしまったケース。

意外とエンジンはかかる。



トップランドと呼ばれるピストンヘッド部分が欠けてしまった棚落ちのケース。


コンロッドが曲がるようなケースも



燃調などのトラブルでは、ピストンのダメージを受けるケースが多いが、コンロッドが曲がることも。

車両が浸水した際のウォーターハンマーなどでも同様に曲がる。


コネクターなども熱でやられる



ダイレクトコイルやオルタネーターなどのカプラーは熱にさらされ、経年変化もあり、抜こうとすると樹脂部分が割れてしまったり、ツメのあるものはツメが欠けてしまうというような症状がでる。

新品に交換したいパーツ。



Syms Racing

富士重工業(当時)のラビット号の部品生産からその歴史がはじまった矢島工業。

現在ではパーツの生産にとどまらず、3次元CADやコンピュータ解析、さらには各種実験設備を充実させている。

そのモータースポーツやアフターパーツ部門がシムスレーシング。

実はこの敷地でラビットのパーツを生産していたとか。


住所:群馬県太田市本町43-15

0276-25-1055 https://syms.jp


SUBARU Style Vol.4 (2019/9/30)より



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