H.B.Sを搭載し、減衰力調整可能モデルも!
テイン純正形状ダンパーが世界を変える
TEIN/EnduraPro
テイン/エンデュラプロ
純正を越えた乗り心地と耐久性を実現した
緑色のダンパーでお馴染みのテイン。いわずとしれた国産サスペンションメーカーの代表格である。
豊富なラインアップはもちろん、安心して導入できる信頼性の高さで人気を集める。そんなテインが万を持してリリースしてきたのが純正形状ダンパーの「エンデュラプロ」シリーズだ。
ストリート用から競技用まで幅広いラインアップを揃えるテインのサスペンションのなかでも、入門モデル的な位置づけとなるこのダンパー。
純正スプリング&アッパーシートと組み合わせることを前提に設計。純正ダンパーがへたった際の補修ニーズに対応しつつ、減衰力調整付きの「エンデュラプロ・プラス」や、ローダウンサスを付属する「SPキット」まで用意。ほどよく下げたいというドレスアップ派の期待にも応える。
一番の特徴は、手頃な価格設定ながら高品質を実現していることであろう。
純正比2倍という高い耐久性を目標に掲げ、ダンパーは非分解式のシールド構造となる複筒式を採用。減衰力の要となるピストンロッドの開発や製造を内製化したほか、シェルケース径を拡大することでオイル容量を純正比で約50%アップし、安定した性能を確保している。
さらにシェルケースの強度を確保すべく大きな負荷が掛かるナックルプレートの板厚を純正比で約75%厚く設計するなど、テインならではのこだわりを凝縮した。
また見逃せないのが、独自のハイドロ・バンプ・ストッパー(H・B・S)を搭載し、十分な快適性を確保していること。
一般的に底付き防止のため組み込まれることが多いバンプラバーは、フルストローク時にゴムが反発するため、上下の揺れが収まらない=挙動が乱れる原因になってしまう。
そこでテインが開発したH・B・Sでは、ダンパー内部にサブスプリングを内蔵。これが作動するフルバンプ付近のみで減衰力を増大させる構造とすることで、路面からの衝撃をいなすことが可能になった。
そのため大きな段差を乗り越えた際に、イヤな突き上げ感が出ることもなく、しなやかに収束できるのがメリットだ。
さらに車内から減衰力コントロールが可能なEDFCに対応するなど、まさに死角なしの仕上がりのエンデュラプロ。それもそのはず、テインでは日本のみならず世界を見据えてこのダンパーを開発しているのだ。
純正形状サスのあるべき姿を真摯に見つめ直し、開発されたエンデュラプロシリーズは、単にローコストな足まわりという位置づけに陥りがちだった純正形状ダンパーを、ワンランク上の領域へと導いた意欲作といえる。
「エンデュラプロ」シリーズを支えるテインのテクノロジー
H.B.S
フル乗車時は底付きしやすくダンパーの負担が大きい。しかしハイドロ・バンプ・ストッパー(H.B.S)はフルバンプ時の衝撃をバルブでしなやかに受け止めるため、突き上げ感を抑制でき、ダンパーにもやさしい。100kgの重りを落下させる展示でもグラスに入った液体はこぼれずにストンと吸収していた。
2コート1ベーク粉体塗装
耐久性にこだわり、シェルケースには2コート1ベーク粉体塗装を施す。強靭な塗膜により塗装剥がれやサビを抑制。積雪地域でも末長く使える。
ピストンロッド
高精度が求められるピストンロッドも完全自社設計&生産。高周波熱処理やクロス研磨処理を実施することでフリクションを低減させる。
EnduraPro PLUS
エンデュラプロ・プラスを装着したヴォクシーに試乗したが、純正を遥かに凌駕する軽快な走りに驚かされた。走行中の段差を乗り超えた際もストンと収まり、減衰力を締め込めばカーブでもしっかりと踏ん張ってくれる。低価格であることをまったく感じさせない質感の高い走りだ。
車内から減衰力変更が可能なEDFCにも対応。乗車人数や走りのシチュエーションに応じて走行フィールを変えられるのもうれしいポイント。
【PARTS SPECIFICATION】
エンデュラプロ プラス
■LINE UP/ミニバン&SUV 多数
■PRICE/1万4000円~(フロント・1本)、1万2000円~(リア・1本)
「エンデュラプロ」シリーズを世界の補修市場の基準へー。
世界市場を見据えて投入されたエンデュラプロシリーズ。2007年に構想をスタートさせ、2017年にリリース開始したテインの自信作だ。日本で設計や開発、基礎研究を行い、6年前に立ち上げた中国の自社工場にて製造を担う。荒れた路面が多い&過酷な条件下で使用される海外では、ダンパーは消耗品のひとつとして認識されている。1年に1度交換する国もあるというが、そうした世界市場をターゲットに開発された製品というわけだ。純正より耐久性が高く、なおかつ快適に走れる補修用ダンパーとして、将来的には3000車種に対応予定というからスケールが違う。今後の展開にも期待したい。
問:テイン 045-810-5501
https://www.tein.co.jp
スタイルワゴン2019年12月号より