日本において、ドイツは「物を大事に、長く使う文化」だと言われています。筆者が実際にドイツで住み始めてからは、若者を中心に少しずつ消費重視の文化に変わりつつあるという印象はあるものの、全体的には今でも「古いものでも、直しながら長く使う文化」は根強いといえるでしょう。
クルマに関しても例外ではありません。日本ではとっくに廃車にされているような「走行距離20万km超えのクルマ」がそれなりの値段をつけて売られていて、しかもそのタマ数の多いこと!日本とは気候や交通事情が大きく異なるとはいえ、いわゆる「ヴィンテージ」としての価値のない普通の大衆車が、なぜこれほどまで長く売り物になるのでしょうか?その背景には、ドイツに長く根付いてきた「ある価値観」がひとつの要因となっていたのでした。今回の現地レポは、ドイツで20万kmオーバーのクルマがなぜ売り物になるのか、その理由に迫ります。