クルマにおけるヒエラルキー。クルマ好きの間では時々話題にのぼりますが、なかなか「こうだ!」という結論が出にくい議題でもありますよね。「所得階層によって乗るクルマが異なる、というのは真か偽か?」「高級車の方が大衆車より公道で優遇されたり、優位に立てたりするのか?」「実社会のなかで、クルマは未だにステータスシンボルとして機能するのか?」「高級車に乗っているヤツの方がモテるのか?」
いずれも、それを話し合っている当事者の観測範囲を基準とすることによってしか進まない話題であり、むしろ「様々な結論を楽しむ」というくらいの感覚でいた方がよいのでは?というくらい、ちょっとシビアな議題でもあります。年収なども絡んできてしまうので。
さて今回は「ドイツ現地において、メルセデス・ベンツやBMW、VWなどのヒエラルキーは確立されているのか?」ということをテーマにお話していきたいと思います。上記の通り、筆者の観測範囲をベースに書いていくことにはなりますが、ぜひ最後までお付き合いください!
社会的地位が高くても、クルマにお金をかけない人もいる
結論から言いましょう。「ヒエラルキーは存在するが、あまり重要ではない」です。
ドイツ国内では「ドイツ車の値段がもっとも高い」ということを、みなさんはご存知でしょうか?VW・ポロに比べるとルノー・クリオの方が安く、BMW・X2よりも日産・キャシュカイの方が安く手に入ります。日本での「輸入車は高い」という常識はドイツでは当てはまりません。ドイツでは「(ドイツの)国産車は高い」というのが共通認識です。それでも、ドイツにおけるドイツ車のシェアは6割以上。ドイツ人は自国の製品に誇りを持っていますから、高くても買いたいという人は多いのです。