独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)グループは13日、パートナー企業と共同で車載電池セルの工場を欧州に建設する計画を発表した。
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約10億ユーロを投資する。ドイツのニーダーザクセン州のザルツギッターに工場を建設する方向だが、電力の調達価格など経済的な条件が整うことを前提としている。差し当たり、今年末までに具体的な投資計画について最終決定できると見込んでいる。
提携先の企業名は公表していないが、メディア報道では、スウェーデンの新興企業ノースボルトとの協力が憶測されている。VWグループはこれまで、アジアから電池セルを輸入してきたが、EVモデル攻勢を加速する戦略を進める中、競争力を確保するためにはバッテリーセルの現地調達が有意義と判断した。VWグループは2028年までにグループ全体で約70の電気自動車(EV)の新モデルを市場投入する計画で、プラットフォーム「MEB」をベースにした純粋な電気自動車の生産は、今後10年で2200万台を計画している。
電池セルの調達では現在、韓国のLG化学、SKI、中国のCATLをメインサプライヤーとしているが、将来のさらなる需要拡大に備えて、欧州で独自にセル生産に参入することも検討していた。また、リチウムイオン電池だけでなく、全個体電池についても、欧州でのセル生産を視野に入れている。
VWグループは、全個体電池用セルの量産化に向けては米国の新興企業クアンタムスケープ(QuantumScape)と協力関係にある。VWグループは、ザルツギッターにある研究センター(CenterofExcellence:CoE)に電池セルの研究開発、調達、品質保証に関する業務を集約している。同センターでは2019年下半期に試験生産を開始する計画。
なお、セル工場の建設には少なくとも3年かかると見込んでいることから、最終決定に向けては、迅速な認可手続きも重要条件の一つに挙げている。
[提供元/FBC Business Consulting GmbH]