ガソリンエンジンなのか、電気モーターなのかわからないけど、0-100km/h加速が2秒台に突入なんてニュースも聞くけど、その能力、いつ使うのよ?っていつも思う。確かにそういう能力を持ったクルマだからこそ、余裕のあるドライビングができることは重々承知の上だ。そんなことに逆行するような「軽さは正義!」であることを痛感する機会が得られたので、そのことをまとめてみようと思う。
まず「軽さは正義!」であることを再認識したきっかけについてだが、幸運が重なって意図せずスーパーカーが「やってきて」しまったからだ。まあ、スーパーカーといってもフェラーリやランボルギーニではなく、小さなスーパーカーではあるのだが…。
ロータスを何台か持っている知り合いの社長さんが、車庫の関係でしばらく1台預かっていて欲しいとの依頼があった。筆者の自宅は狭い私道の奥にある。そのため、私道を使って車庫証明を比較的簡単に取得できることもあり、この依頼を引き受けることにした。
そのスーパーカーとは『ロータス・エリーゼ111S』という限定車だ。日本での最初の登録は2001年となっている。
並み居るスーパーカーと比べると価格的にはだいぶ手頃だ。そういう意味では「スーパーカー」と呼ぶには多少認識の相違があるかもしれないが、普段、ちょっと旧い国産セダンに乗る身からすると十分スーパーカーだと思う。
軽さは正義だと痛感
ドライバーの後ろに搭載された、ローバー製の横置き4気筒エンジンはこじんまりとしていているように映る。排気量は1795cc、カタログ値の最高出力156馬力。可変バルブタイミング機構(VVC)を備え、低回転から高回転までまんべんなくモリモリとしたトルクがある。このエンジンは、車検証上の重量750kgのボディを走らせるには十分過ぎると感じた。運転していても、車両自体の重量をまったく感じられないと錯覚してしまうほどだ。街中をジェントルに走っていても、シフトチェンジが楽しく、思わずにやけてしまう。さらに、ワインディングへ連れ出してアクセルを踏み込んだとたん、後頭部から感じるエンジンの振動と、「腰を持っていかれるほどの」加速感に思わず奥歯を噛みしめるほどだ。ありとあらゆる場所や速度で走っていても楽しいことこの上ない。