ざっくり、こんな移動
- 格安かつ確かなサービスで人気の「どっとこむライナー」
- 浅間山や妙義山など、車窓に映る山々の稜線がきれい
- “駅弁グランプリNo.1”に輝いたこともある、あのお弁当も買える
バス旅愛好者の間では「どっとこむライナー」の名称で知られている昌栄交通の高速バス。
こちらの会社では、長野市を拠点に東名阪の各都市と神戸への長距離バスを運行。
東京ー長野間が最低1,000円台と格安な料金設定ながら、確かなサービスで高い評価を得ています。
「どっとこむ」は、言うまでもなく「どっと混む」と「.com」をかけた名前。高速バスの予約がほとんどネット経由になった時代に、なかなかナイスなネーミングセンスですね。
今回はそのどっとこむライナーの「東京〜長野便」で、長野市観光へ出かけてきました!
ピッカピカの「どっとこむライナー」に乗車!
今回乗るどっとこむライナーは、東京駅八重洲南口から歩いて5分の鍛冶橋駐車場を午前9時に出発。2番の停車場にはすでにピッカピカのどっとこむライナーが出発を待っていました。
鮮やかなピンクのカラーリングで、ボディには「Syoei」「HIGHWAY EXPRESS」、そして「.com」の文字がラッピング。運転手さんに聞いてみたところ、ピンクのほかにグリーンやシルバーの車体もあるのだとか。
そうして鍛冶橋駐車場を出発したどっとこむライナーは、もうひとつの乗車地であるバスタ新宿へ。
新宿からのお客さんが乗って“どっと混む”前に、この間にバスの設備をくまなくチェックしておきましょう。
フロントガラスが大きく面長な印象を受ける車体は、三菱ふそう製のエアロエース。
ややポップなカラーリングの外装に対して、内装は木目調の床が落ち着きのある雰囲気で、赤と紫の中間色に唐草模様のシルエットをあしらったシートも上品な印象です。
シート配置は2席+2席の4列シートで、計11列の定員42人。
使用する車体によって異なるそうですが、この日の車体には後部にトイレが付いていました。
各席にUSBポートもあるのでスマホの充電忘れも問題なし♪
そしてブランケットも乗車時に準備されていて、コンパクトなスペースながら快適な設備が整っています。
東京のおみやげも充実している三芳パーキングエリア
バスは麹町や四谷あたりを通過しながら都内を横断。出勤ラッシュで忙しい朝の東京の風景を車窓から眺めつつ、20分ほどでバスタ新宿に到着します。
さらに20分ほど追加のお客さんを待って再び出発し、練馬インターチェンジから関越道へ。
長野市までは関越道と上信越道を経由。途中、軽井沢に寄り、終点の長野駅前まで約5時間半の道のりです。
2度ある休憩のうち1度目は、関越道の三芳パーキングエリアにて。
こちらはバス旅でも利用頻度の高いPAですが、だいたいが飲み物を買うか、トイレに寄るだけというのが正直なところ。
しかし今回じっくり売店を覗いてみると、東京帰りの方々の利用が多いからか、地元名物に加えて東京の定番土産がたくさん売られていました。
かさばって運びづらいので、独り旅にとっては意外な悩みどころの“バラマキみやげ”も、帰りにここで買っちゃえば楽だなぁ〜としみじみとした感想。
その後、藤岡ジャンクションで上信越道に入ったあたりから車窓は長閑な風景に変わり、浅間山や妙義山など山々の稜線が清々しい景色も見えてきます。
屏風のように並ぶ、様々な形の山をゆったり眺めながら移動できるのはバス旅ならではの魅力!
横川サービスエリアで“お弁当ウォーズ”が勃発!?
2度目の休憩は横川サービスエリアに停車。
こちらは高崎駅名物、たかべんの「だるま弁当」が買えるサービスエリアで、中にも外にもいたるところにだるまがいっぱい。
そんな“引力”に吸い寄せられて、「今日のお昼はだるま弁当一択だな」と私も売店に向かったのですが、そこには思わぬライバルが……。
「お弁当に峠の釜めしはいかがでしょうかぁ〜」
お弁当売り場へ向かっている私の耳に入ってくる、威勢の良いおばちゃん店員の声…。
そして、そこには「峠の釜めし」の5文字が…。
「うわぁ〜! 横川といえば、峠の釜めしでも有名だったぁぁぁ(←エコーが効いた私の心の声)」
ここは、数多の駅弁グランプリで何度も王者に輝いている、おぎのやの「峠の釜めし」のお膝元でもあったのです。
もちろん、たかべんの売店のおじさんも「だるま弁当いかがですか〜」と推してきます。
ほぼ隣にある2つの売店の間で大いに迷いまくる私。そして刻々と迫る出発時間。
だるま弁当か、はたまた峠の釜めしか…。私の中で繰り広げられる小さなお弁当ウォーズ。
結果的に車内で食べることを考慮して、“手の中の収まり感”を決め手に、今日はだるま弁当に軍配が上がったのでした。
財布から急いで1,000円札を取り出してお弁当をパシッと受け取り、出発間際のバスに駆け込みダイブ!
長野市に到着! いざ善光寺参りへ!!
横川サービスエリアを出ると、碓氷軽井沢インターチェンジで上信越道を一旦降りて軽井沢へ。
だるま弁当に舌鼓を打つ私の目に、高岩のそそり立った岸壁が映り込みます。
そうしてつづら折りの峠道を抜けて、軽井沢の高原リゾート地へ。
ここで一旦停車し、一部のお客さんがバスを降りていきます。
そこから再び浅間山を右手に進むどっとこむライナー。
再び上信越道に乗ると、今度は徐々に北アルプスの山々が見えてきます。
スマホで地図を見ながら、どれがどの山かを確認する私。
ここまでの山も綺麗でしたが、やはり信州の山は迫力が違います。
そうこうしているうちに長野インターチェンジを降りて長野市内へ。
ほどなくして、長野駅近くの東急シェルシェ前に到着し、ここで下車。
時計は午後2時40分。夕暮れ前にいざ、と足早に善光寺へ向かったのでした。