2023年のオリオン座流星群が、まもなく見頃を迎えます。オリオン座流星群は肉眼でも見やすい流星群のひとつなので、秋の夜長のお供に観測してみてはいかがでしょうか。
とはいえ、初めてオリオン座流星群を観測する方や星空観察に慣れていない方にとっては「どうすれば流星群を満喫できるのかよくわからない」というケースも多いことでしょう。
この記事では、2023年オリオン座流星群の見頃や観測にあたってのポイントのほか、オリオン座流星群の特徴や魅力といった基本情報も紹介します。ぜひ、秋の星空観察の参考にしてください。
2023年オリオン座流星群の見頃はいつ?極大のタイミングでの観測がおすすめ
2023年オリオン座流星群の一番の見頃は、10月21日(土)深夜〜22日(日)明け方までの時間帯です。
オリオン座流星群は、10月2日〜11月7日ごろにかけて活動が活発となります。流星群の活動には「徐々に活発化していき最も活発な時期を迎えた後、沈静化していく」という特徴があり、活動が最も活発化する時期のことを「極大」と呼びます。
2023年のオリオン座流星群が極大を迎えるのは、10月22日午前9時ごろの予想です。そのため、一番の見頃は21日の深夜から22日の明け方となります。21日午後10時ごろから流星が流れ始めますが、観測に最もおすすめなのは真夜中を過ぎてからの時間帯です。
流星群の流星が四方八方に流れるその中心となる点のことを「放射点」と呼びます。この放射点の高度が高くなるほど、流星の出現数が増えます。オリオン座流星群の放射点が高度を増すのは21日の午後10時ごろからで、放射点の位置は明け方にかけてどんどん高くなります。
流星群を見られる南東〜南の方角にある放射点は高度も高く、月明かりの影響も受けないため、好条件で観測できるチャンスです。天候に恵まれた場合、1時間に5〜10個程度の流星を観測できる予想です。
またオリオン座流星群は、ピークの前後数日にも観測できる可能性があります。極大日である10月21日の観測が難しいときは、20日や22日の月が沈んだ明け方の夜空を観察してみてください。
地域ごとの星空指数(その日の夜空が天体観測に適しているかを表す指数)は、こちらから確認できますので、ぜひ参考にしてください。
オリオン座流星群ってそんなにすごいの?長年にわたって注目を集める魅力を解説
星空観察にあまり詳しくなくても「オリオン座流星群」という名称自体は知っている、という方は少なくないことでしょう。オリオン座流星群は、三大流星群と呼ばれるペルセウス座流星群・ふたご座流星群・しぶんぎ座流星群にも引けをとらない知名度を誇る流星群です。
三大流星群と比べれば規模は小さいものの、オリオン座流星群には観測が楽しくなるいくつかの魅力があります。
まず魅力として挙げられるのは、オリオン座自体が冬の夜空を代表する星座である点です。1等星が2つ、2等星が5つと明るい星々で構成されるオリオン座は、横一列に並ぶ三ツ星など、目をひく美しさと大きさを誇ります。
そしてオリオン座流星群は流星の速度がとても速く、明るいという特徴もあります。肉眼でも見やすく、長く明るい火球を伴うこともあるため、手軽に楽しく観測できる流星群のひとつとして人気です。約1ヶ月もの長い期間にわたって活動するピークがなだらかな流星群で、極大日の前後数日間にも観測チャンスがある点も魅力といえるでしょう。
美しく雄大な姿で冬の訪れを伝えてくれるオリオン座流星群を観測して、ぜひ季節の移り変わりを肌で感じてみてください。
2023年のオリオン座流星群に適した観測条件とは?知っておくべきポイントを紹介
せっかく流星群を観測するのであれば、万全な準備を整えてのぞみたいものです。ここでは、星空をより満喫するためにおさえておきたいポイントを紹介します。
■時間のポイント
10月21日(土)深夜〜22日(日)明け方までが、オリオン座流星群の一番の見頃です。なかでも、放射点の位置が高くなる真夜中を過ぎてからの時間帯が絶好の観測チャンスとなります。東京では、21日の午後9時43分に月入りした後のこの時間帯は、月明かりの影響を受けることがなく好条件です。
■方角のポイント
実は、観測する方向を気にする必要はありません。流星群は、オリオン座の北側から放射状に現れます。とはいえ流星は放射点のある方向だけではなく、夜空のどこにでも出現します。そのため、放射点の方向にこだわる必要は特にありません。ただし、月入り前の時間帯は、月のある方向を正面にしての観察は避けることをおすすめします。放射点付近では短い軌跡の流星が多く、放射点から離れた方向では長い軌跡の流星が多く観察される傾向にあります。
■観測範囲のポイント
流星は、放射点を中心として四方八方へ放射状に飛び出すように流れて見えます。また、流星が流れる速度が速いこともオリオン座流星群の特徴です。そのため一点だけを注視するのではなく、空全体を眺めることが観測のポイントです。暗い場所で15分ほど目を慣らしたあとで、広い範囲の夜空を見渡してみてください。
■観測場所のポイント
観測場所は、街灯や月明かりの光を避けられる場所を選びましょう。木々に囲まれた場所よりも、できるだけ空が大きく見渡せる開放的な場所のほうがおすすめです。また、オリオン座流星群の出現時期は夜風が冷たくなる季節です。身体も冷えやすいため、十分に暖かい服装で観測するようにしましょう。
そもそもオリオン座流星群とは?基本情報をおさえて観測の満足度を高めよう
「オリオン座流星群って名前はよく聞くけど、流れ星が見えることしかわからない」という方は少なくないのではないでしょうか。星空観察に備えて、オリオン座流星群の基本情報をチェックしてみましょう。
オリオン座流星群は、ハレー彗星を起源とする流星群です。ハレー彗星とは公転周期75.3年で地球に接近する彗星のことで、オリオン座流星群は、このハレー彗星が地球の近くを通るとき、残した微粒子が地球の大気中に入り焼き尽くされることによって発生します。
オリオン座流星群は、毎年10月2日から11月7日ごろにかけて出現します。1時間あたりの流星出現数が20個を超えることは珍しいのですが、2006年には1時間あたり60個以上、観測者によっては100個を超える流星数が観察されています。この理由としては、約3000年前にハレー彗星から放出された塵が地球軌道に接近したことによって流星数が増加したため、という研究報告があります。
残念ながら現在では流星の出現数は落ち着きを取り戻していますが、2023年のオリオン座流星群は、条件がよければ1時間に約5〜10個の流星を観測できるチャンスがあります。
ロマンあふれる注目イベント「オリオン座流星群」の観測で秋の夜空を満喫しよう!
オリオン座流星群は、秋の夜空を彩るロマンたっぷりの注目イベントです。観測条件がそろえば、素晴らしい天体ショーを楽しむことができるでしょう。もし極大日に天候に恵まれなかったとしても、前後数日は観測のチャンスがあります。「今まで星空観察にあまり縁がなかった」という方も、この機会に観測に挑戦してみてはいかがでしょうか。この記事でご紹介した観測のポイントもふまえて、ぜひ心癒やされる秋の夜長を満喫してください。
参考:国立天文台、AstroArts