朝夕はだいぶ涼しく、過ごしやすい季節になりましたが、秋といえばスポーツ、読書、行楽……と何をするにもよい季節ですが、秋の夜長を楽しむお月見もありますね。今年の「中秋の名月(十五夜)」は10月なのでもう少し先になります。それでも夜空に浮かぶ月を見ていると、夏に見た月とはまた趣が異なるように感じるのは気のせいでしょうか?
── 古(いにしえ)から人々はさまざまな願いを込めて月を愛でてきました。今回は月をテーマでありながら、少し趣を変えて、狼男から金運アップまで満月にまつわる「ちまたの噂」をご紹介します。
衛星としては、破格の大きさの月
地球のただひとつの衛星、月は昔から人々の生活には欠かせない役割を担っていましたし、かつては、日本でも月の満ち欠けをもとにした暦を使用していました。農業や漁業など、自然と密接にかかわる仕事では、その暦をもとに一年間のサイクルを決めていたのです。
古くから伝わる行事であったり、その名残は私たちの生活の端々に見受けられます。
地球上からは太陽とほぼ同じくらいの大きさに見えますが、その直径は地球の約4分の1。太陽系の地球以外の惑星とその衛星と比べてみても、月は地球に対して非常に大きいのが特徴です。
70%以上が水分の人体は、月と深い関係がある!?
その大きさと、また地球からの距離が近いこともあって、月は地球にさまざまな影響をおよぼしています。
そのひとつ、海の潮の満ち引きは月の重力によって引き起こされる現象です。その70%以上が水分である人体も、月の影響を受けても不思議はないという説は、以前から唱えられてきました。
さらに、満月の夜になると暴力的な事件が増えるといった噂など、月の満ち欠けが人間におよぼす影響についてはしばしばいわれます。ただ、今のところあまりはっきりした関連性があるもの……とはみなされていないようです。
満月の夜に遠吠えをするのは避けた方が良い?
さて、満月というと狼男を連想する人もいるかもしれません。ハロウィンなどで、狼男に扮する人も多いのではないでしょうか? 狼男は普段は人として暮らしていながら、満月の夜になると半獣半人の狼男に変身するというものです。映画化もされましたね。
狼男に関連する伝説は狼の生息する地域のほとんどに伝えられているといわれています。しかし、これらの伝説では満月によって人が狼男に姿を変えるだけでなく、狼男自身の意志によって姿を変えるなどバリエーションも豊富だそう。日本では狼がおばあさんに化けていたという民話もあります。
ちなみに、森の中で狼の遠吠えをまねると恐ろしいことが起こるとか? 満月の夜に限らず、人が不用意に遠吠えをするのは避けたほうがよいようです。
満月の日はその育力によって出産数が増える?
満月が近づくと引力の影響か出産件数が増えるというのも、よく聞く話です。しかし実際には、統計的なデータなどがあるわけではなさそうです。
一方で、人間だけでなく例えばウニやウミガメなど、海に住む生物は満月の夜に産卵するといわれています。また満月の日そのものよりも、その前後に産卵が増えるという説もあります。そのほか、満月の日に採れたウニは美味しいという説もあります。