初ガツオのシーズン到来です!! 初ガツオのもっともおいしい食べ方は、ずばり、カツオのたたき。サッと火であぶり、冷水でしめて、たっぷりの薬味とポン酢で食べるたたきは、初夏にぴったりのメニューです。
カツオはこの時期、沖縄あたりから東北沖に向かって北上している最中です。江戸時代には、「女房を質に入れてでも食べたい」といわれるくらいおいしいとされた初ガツオ。さあ、今年も旬の味を楽しみたいですね。
カツオの旬は年に2回。春の「初ガツオ」は、薬味をのせて、たたきで食べたい。
カツオには旬が年に2回あり、時期によって味が変わります。
3月から6月にかけて、暖かい黒潮に乗って、沖縄から東北の太平洋側を北上するのが「初ガツオ」です。別名「上りガツオ」。そのおいしさを江戸っ子は、「初ガツオは女房を質に入れてでも食べたい」と言っていたほどです。まだ脂がのりきっていない、さっぱりとした味わいの初ガツオは、たっぷりの薬味とともにたたきで食べるのがオススメです。表面をサッと軽く火であぶり、冷たい水でキュッとしめたあと、にんにく、しょうが、あさつき、大葉などを薬味に、ポン酢で食べるたたきは、まさに初夏の味わい。薬味には新たまねぎやカイワレ大根を使ってもおいしくいただけます。春から初夏にかけての今、旬の初ガツオを堪能したいものです。
秋の「戻りガツオ」は脂がのっていて、トロのような味わい。刺身で食べたい。
春に北上した初ガツオは、三陸の沖でエサをたっぷり食べたあと、7月から12月にかけて日本の太平洋側を南下します。これが「戻りガツオ」。別名「下りガツオ」ともよばれています。
戻りガツオは初ガツオに比べて脂肪量が多く、約10倍もあります。太って脂がのった身はしっとりとしていて、まるでマグロのトロのような味わいです。
そんな戻りガツオは、ストレートに刺身で食べるのがオススメです。わさび醤油かしょうが醤油で食べると、たたきとは違うカツオのおいしさを味わうことができます。
初ガツオはたたきでさっぱりと。脂ののった戻りガツオは刺身で。1年に2度あるカツオの旬ですが、それぞれの時期に、それぞれのおいしさを堪能したいですね。
速く泳ぐためのボディー。新鮮なカツオはシマシマがくっきり。
カツオは時速60km以上の高速で泳ぐので、水の抵抗が少なくなるような体形をしています。
全体的に見ると、頭が小さく、側面から見ても頭部から見ても、垂直線に対し対称的な紡錘形をしています。体が丸かったり装飾的なものがついていたりすると、速く泳ぐことができません。紡錘形は、海を高速で泳ぐためには理想的な形なのかもしれません。
また、カツオのウロコはかたく、カマ(首の後ろ側)の周辺にだけあり、そのほかの部分にはウロコはありません。速く泳ぐには、ウロコはジャマなのかもしれませんね。
カツオの外観の特徴は、腹に横向きの縞模様があることです。この模様がくっきりしていれば、獲れたての新鮮なカツオの証です。逆に、縞模様がはっきりしない場合は、鮮度が落ちている証拠です。腹のシマシマを見れば、新鮮かどうかがわかります。
獲れたてのカツオはピカピカしていて、青光りしています。紡錘形のボディーには、くっきりとした縞模様。きれいなカツオが高速で大海原を泳ぐ姿は、さぞかし美しいことでしょう。そんな美しい初ガツオをたたきにして、この時期にしか味わうことのできないさわやかな旬の味を楽しみたいですね。