
今週末は台風12号から変わった熱帯低気圧の影響を受けて大気の状態が不安定になる地域があるでしょう。山地では局地的な大雨の可能性もあるので十分注意してください。一方北海道には初秋の空気が入り始め、来週以降は朝晩に冷え込む日もある見通しです。旭岳の日本一早い紅葉まで1か月をきっています。
●衛星画像 台風12号から変わった熱帯低気圧の影響続く
まずは雲の状況を見てみましょう。
台風12号から変わった熱帯低低気圧の雲が豊後水道で渦を巻いています。台風から熱帯低気圧に変わったとはいえ非常に湿った空気を伴っており、湿った空気の影響で四国や九州に雨雲がかかっています。一方、前線を伴った低気圧が大陸の沿海州に進んできました。低気圧や前線の北側には秋を感じるような空気が広がっているため、23日に低気圧が通過した後、24日になると北海道には秋の風が吹き込んでくる見通しです。
●予想天気図 北海道には初秋の空気が流れ込む
予想天気図を見てみましょう。天気図上の850hpaとは山の標高では1500m前後にあたります。この高度に流れ込む空気の性質が地上の気温などに影響を及ぼします。
23日(土)は台風12号から変わった熱帯低気圧が四国のすぐ南に予想されています。動きが非常に遅く、西日本では熱帯低気圧周辺の非常に湿った空気の影響を受け続けるでしょう。雲が広がりやすく、雨や雷雨となる山がある見通しです。とくに紀伊半島では南から非常に湿った空気が吹き付ける形となるため雷を伴って激しい雨が降るところもあるでしょう。
東日本は午前中晴れる山岳が多く登山に向いています。ただし気温の上がる午後は大気の状態が不安定となって雨雲や雷雲が発生しやすくなる予想です。天気の変化に注意してください。
北海道は前線を伴った低気圧が通過して雨風ともに強まる予想です。西風が非常に強く、稜線では風速20メートルを超える可能性もあるため、登山にはシビアな気象条件でしょう。東北でも前線に伴う強風が吹きやすいため、晴れていても十分な注意が必要です。
24日(日)は台風12号から変わった熱帯低気圧は不明瞭になる見込みですが、本州付近には非常に湿った空気が残されるため、これが雨雲や雷雲の材料となる見通しです。西日本では引き続き雲が広がりやすく、日中は雨や雷雨となるところが多いでしょう。
東日本や東北では午前中は晴れるところが多いものの、昼ごろからは雨や雷雨となるところが多くなる予想です。
低気圧が通過した北海道には比較的温度の低い初秋の空気が流れ込むでしょう。天気は回復して晴れてくる見込みですが、稜線では北西からの強風が吹きやすいため、ルート選択や装備には細心の注意を払ってください。