
今年の夏も全国的に猛暑になる見込みです。記録的な暑さになった昨年ほどではなくても、暑さのレベルはかつての夏とは違うといえそうです。熱中症の重篤化を防止するため、明日6月1日より、職場における熱中症対策が強化されます。職場での熱中症対策に限らず、日常生活で暑さに慣れておくことも大切です。
●明日1日は関東など急に暑くなる 向こう一週間は気温変化大きく
ここ1週間の気温は、全国的に平年より低く、昼間もヒンヤリ感じられた地域も少なくありませんでした。
向こう一週間は、気温の変化が大変大きくなります。
気象の上で夏に入る明日6月1日は、九州から関東では、最高気温は25℃くらいまで上がる見込みです。北陸や東北は20℃に届かない所が多いですが、北海道では20℃を超える所があるでしょう。関東など、急に暑くなります。
2日も暑さが続く所が多いでしょう。ところが、翌日3日には、昼間も羽織るものが必要なくらいになる所がありそうです。かと思うと、その翌日4日は再び暑くなり、その後、近畿から関東を中心に最高気温が30℃くらいまで上がる日が数日続く所が多くなるでしょう。
気温の大きな変化で、体調を崩さないようお気をつけください。
●昨年の夏は、一昨年の夏と並んで記録的な高温だった
昨年2024年の夏、日本の平均気温は、統計を開始した1898年以降の夏として、2023年の記録と並び、1位タイでした。
昨年、記録的な高温になった原因は、日本付近で偏西風が平年より北を流れる傾向であっただけでなく、地球全体でみると、長期的な地球温暖化に加え、2020年夏~2022/23年冬の「三冬連続のラニーニャ現象」によって西太平洋の海洋内部に2020年から蓄積された熱が2023年春~2024年春のエルニーニョ現象に伴って赤道太平洋域全体の海面付近に広がって大気を強く暖めた結果、太平洋の中緯度域で下降気流が強まり、太平洋高気圧の勢力を高めたことなどがあります。
●今年の夏も猛暑 昨年ほどではなくても暑さのレベルはかつての夏とは違う
今年の夏も、偏西風は、日本付近で平年より北を流れやすく、全国的に猛暑になる見込みです。
地球温暖化の影響などで、日本の夏の平均気温は、長期的には100年あたり1.31℃の割合で上昇しています。
今年の夏も、地球全体が高温でしょう。特に今年は、日本がある北半球中緯度帯で、高温が顕著になることが特徴です。昨年の夏ほどの暑さにならなくても、一昨年の前の夏までの暑さとはレベルが違うといえそうです。
●暑熱順化の(暑さに慣れる)ために日常生活でできること
明日6月1日より、熱中症の重篤化を防止するため、職場における熱中症対策が強化されます。職場での熱中症対策に限らず、日常生活で暑さに慣れておくことも大切です。
暑熱順化とは、体が暑さに慣れることです。暑い日が続くと、体は次第に暑さに慣れて(暑熱順化)、暑さに強くなります。 個人差もありますが、暑熱順化には数日から2週間程度かかります。暑くなる前から余裕をもって暑熱順化のための動きや活動を始めましょう。
暑熱順化のための動きや活動には、次のようなものがあります。
・ウォーキングやジョギング
帰宅時にひと駅分歩く、外出時にできるだけ階段を使用するなど、少し汗をかくような動きをしましょう。目安としては、ウォーキングの場合の時間は1回30分、ジョギングの場合の時間は1回15分、頻度は週5日程度です。
・サイクリング
通勤や買い物など、日常の中で取り入れやすいのがサイクリングです。目安としては、時間は1回30分、頻度は週3回程度です。
・筋トレやストレッチ
室内では、筋トレやストレッチなどで軽く汗をかくことができます。ただ、室内の温度や湿度には十分注意して、暑くなりすぎたり、水分や塩分が不足したりしないようにしましょう。目安としては、時間は1回30分、頻度は週5回~毎日程度です。
・入浴
シャワーのみで済ませず、湯舟にお湯をはって入浴しましょう。入浴の前後には十分な水分と適度な塩分を補給し、入浴して適度に汗をかくとよさそうです。目安としては、入浴の頻度は2日に1回程度です。
暑熱順化ができても、数日暑さから遠ざかると効果はなくなってしまいます。自分が暑熱順化できているかを意識し、まだ暑熱順化できていないときには、こまめな水分補給や涼しい場所での休憩などで熱中症を予防しましょう。