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北海道 南西部中心に大雨の恐れ




発達した低気圧からのびる前線が近づいている北海道。明日にかけて大雨による土砂災害や竜巻などの激しい突風、強風や高波などに十分な注意が必要です。今後の雨の予想などをまとめてみました。



●気圧の傾きが大きい中、前線が通過。


今日の北海道は沿海州を北上する低気圧からのびる前線が近づき、気圧の傾きが大きくなっています。南~南東の風が沿岸や岬付近を中心に強まっており、寿都では午前11時49分に最大瞬間風速27.0m/sと非常に強い風を観測しました。また、この強い南よりの風が吹きつける太平洋側西部を中心に広い範囲で雨が降っており、胆振管内の白老町森野では本日午後0時までの24時間に37.5mm、登別市カルルスでは35.5mmの雨を観測しました。この両地点を含む胆振中部地域では南東側に海が開いており、一方背後には1500m級の山々が位置しています。この周辺では発達した低気圧が近づき、強い南東の風が吹くとしばしば大雨となることで知られています。海から吹く強い風が背後の山々を強制的に駆け上がる際に雨雲が発達し、山の麓にまとまった雨をもたらすのが主な理由ですが、その他、同じような原理で局地的な大雨となる恐れがあるのは過去の事例から支笏湖周辺などを含む石狩南部地域や日高山脈周辺、渡島地方北部周辺などが知られており、これらの地域では明日10日午前06時までの24時間に100mm前後の大雨となる恐れがあります。


●今後の注意点は?


低気圧は現状で閉塞過程に入っていると考えられ、伴う前線も閉塞前線の構造として明日にかけて北海道を通過していくと考えられます。温暖前線に寒冷前線が追いついてできる前線が閉塞前線ですが、天気図にもあるように「入」の漢字に見える前線。この接合点が閉塞点と言われており、この周辺では急な激しい雨や突風などシビアな現象を度々引き起こすことで知られています。今後はこの閉塞点が道南から日高山脈付近を通過する見込みで、特にこちらの方面で大雨となる可能性が高まっています。その他でも札幌圏を含む道央圏や太平洋側の広い範囲で明日にかけて50~100mmとまとまった雨が予想されており、大雨による土砂災害や低い土地への浸水、河川の増水などに注意が必要です。

また、この前線付近を中心に大気の状態が非常に不安定となりますので、急に激しい雨や竜巻などの激しい突風、落雷、ひょうなどの恐れもあります。なお、前線が通過するまでは南よりの風も強く、太平洋側西部の海域では海がしけそうです。天気の急変や沿岸での高波などにも十分注意して下さい。前線や伴う活発な雨雲は明日の夕方には千島方面に抜ける見込みです。太平洋側やオホーツク海側の雨は明日午後には次第におさまる傾向ですが、日本海側は今週末にかけて雨が降ったりやんだりを繰り返すぐずついた天気が続きそうです。また、前線の通過後は吹き返しとなる西よりの風が日本海側の沿岸を中心に強まり、波が高くなりますので、この週末は沿岸には近づかない方が良いでしょう。

最新の気象情報に引き続き注意して下さい。


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