
<広島-中日>◇24日◇マツダスタジアム
一昨年のドラフト1位、広島常広羽也斗投手(23)が今季初登板で力投を見せた。
昨年のドラフト1位の中日金丸との投げ合いだった。150キロ超を連発する金丸に対し、140キロ後半の直球を主体に押した。1回に定まらなかった変化球も徐々に安定。5回まで57球のうちボール球は11球。3ボールは1度もなく、2ボールも1度のみと制球もまとまっていた。6回1死から味方のミスから出塁を許すと、田中には追い込みながら死球。続くブライトに3ランを浴びた。直後に降板となるも、6回途中3安打3失点(自責2)。先発としての役割を果たし、5回で降りた金丸よりも長くマウンドに立ち先輩“ドラ1”としての意地を示した。
開幕直前にローテ入りを逃したものの、今季は飛躍が期待された。だが、2軍では体調不良もあり、思うような結果を残せず、ウエスタン・リーグ16試合(先発14試合)で3勝10敗、防御率4・69。それでも17日ウエスタン・リーグのソフトバンク戦を新井監督が視察。5回途中降板も、4回まで無失点の投球に「映像だけでは分かりづらいところもある。直に見て、まずまずだった。1軍で早く投げたいと思っていただろう」と期待を込めた昇格だった。
指揮官の思いに応える投球だった。苦しかった時間が長い分、苦境に強い。昨季のプロ初勝利も、チームがどん底にいた9月に挙げたもの。2試合登板の昨季以上に、今季はやり返すチャンスがまだある。【前原淳】