
<西武2-0ロッテ>◇23日◇ZOZOマリン
西武の滝沢夏央内野手(22)の頭部付近に、ロッテ・サモンズからのこの日2度目の抜け球が飛んできたのは、5回2死の第3打席だった。カウント1-2からの4球目だった。
球威が強烈な左腕だ。滝沢は正直に言う。
「あの球を見せられて、腰引けてた部分があったのかなとも…」
ただ、そう言いながら根性を見せるのが滝沢だ。4つの球種が内外にまんべんなく来たものの、そこから8球連続でファウル。最後二塁ゴロに終わったが、サモンズに1人で15球投げさせ、じわじわと体力を削っていった。
調子は「まだ全然悪いです」という。好調なシーズン序盤を思えば失速した。苦しさや悔しさもある。
「悪い中でもそう思ってもらえるような打席をつくりたいなって思ってやってるので…。あそこもまっすぐを弾ききれなかったのもあるんですけど、それならなんとかフォアボールを取ろうと思って」
そうやって姿勢を見せる。今季15盗塁目もマークした。「なんとか見えないところでもチームに貢献できれば」。そんな滝沢の姿は、西口文也監督(52)の目に「やっとまた、良かった時の夏央に戻りつつあるかな」と映っている。【金子真仁】