
<中日-DeNA>◇17日◇バンテリンドーム
DeNA藤浪晋太郎投手(31)が5回5安打1失点5奪三振1四球と粘投で移籍後初登板を終えた。阪神時代の22年9月23日以来、1059日ぶりの勝ち投手の権利を持ったままの降板となった。
だが降板直後の6回無死から、2番手中川が1球目を中日上林に同点本塁打とされ、藤浪の白星は消滅した。
藤浪は「初登板でしたが、落ち着いて投げられましたし内容はまずまず良かったかなと思います。ただ早いイニングでの交代となり中継ぎに負担をかけてしまいました。しっかり振り返りをして次回チャンスがあれば、長いイニングを投げられるように頑張りたいです」とコメントした。
立ち上がりの1回を無失点に抑える上々の滑り出しを見せた。スタメン9人全て左打者を並べ“対藤浪対策”を打ってきた中日打線に球威のある直球で押した。
1回先頭、岡林は146キロスプリットで投ゴロに仕留めると、続く樋口には154キロ直球を捉えられて右前打とされるも、上林をスプリットで空振り三振。その間に二盗を許すも、ボスラーを154キロ直球で強烈な当たりの一ゴロで切り抜けた。
しかし2回に足を絡められて、NPB復帰後初失点を喫した。2点リードの2回先頭は元阪神でチームメートだった板山。2ボールから154キロ直球を痛打されて右前打を浴びると、続くバントの構えを見せる駿太にはカウント3-1からエンドランを決められて無死一、三塁とピンチを拡大した。
続く宇佐見にスプリットをバットに当てられてボテボテの遊ゴロ。これも一塁走者はスタートしているエンドランで、この間に1点を失った。
それでも1死二塁からは投手の松葉を三ゴロ、9番土田をスライダーで空振り三振に仕留めてリードを守り切った。
3回は初めての3者凡退で終えると、1点リードの4回にはNPB復帰後初四球から暴投が重なってピンチを招くも土俵際で踏ん張った。先頭ボスラーに際どい球を見極められて四球で出塁を許した。続く板山への4球目スプリットだった。大きく引っかけて左打席内で弾む暴投で無死二塁とされた。
それでも粘った。板山をスライダーで空振り三振に斬ると、駿太には投前の内野安打とされるも、1死一、三塁から宇佐見を三ゴロ併殺打。無失点でしのぐとグラブを叩いて豪快なガッツポーズを見せ、捕手の戸柱ともハグで喜びをあらわにした。
5回は先頭の投手・松葉に粘られて7球目を中前打とされるも、続く3人を打ち取って危なげなく無失点。86球を投げて、5回5安打1失点5奪三振1四球で最速は156キロだった。
6日のイースタン・リーグ巨人戦(横須賀)では移籍後3度目の先発も、4回途中3安打5失点7四死球で降板。再び2軍での最終調整を経て1軍デビューをする予定だったが、10日巨人戦(横浜)に先発予定だったトレバー・バウアー投手(34)が先発を回避。空きが出た先発枠に藤浪が緊急昇格し、デビューすることになった。