
<DeNA-巨人>◇10日◇横浜
DeNA藤浪晋太郎投手(31)が10日、1軍試合前練習が行われる横浜スタジアムに初合流した。11日からのヤクルト3連戦(神宮)でアメリカから移籍後、1軍初先発に臨む。
この日は、雨がぱらつく中、東らと言葉を交わしながら和やかに練習に参加。キャッチボールを終えると、ブルペン投球を行った。チームメートや首脳陣もズラリと並んで熱視線を送った。メッツ傘下マイナーで同僚だった巨人乙坂や、阪神時代の同僚だった巨人馬場らと握手し、笑顔で再会を喜ぶ場面も見られた。
三浦大輔監督は「次のカードで先発で投げます。次の登板に向けてコミュニケーションを取ったりという時間にしてくれれば」と語った。
藤浪は6日のイースタン・リーグ巨人戦(横須賀)で移籍後3度目の先発も、4回途中3安打7四死球5失点で降板。再び2軍での最終調整を経て1軍デビュー予定だったが、10日の巨人戦(横浜)に先発予定だったトレバー・バウアー投手(34)が腰の違和感で先発を回避し、ヤクルト3連戦で先発予定だった石田裕太郎投手(23)が急きょ代役先発となった。
そのため、空きが出た先発枠の1枚に日米で経験豊富な藤浪が緊急登板することになった模様だ。7日にはAIチームや投手コーチを含めた合同ミーティングを行っており、小杉投手コーチは「(前回は)微妙なズレがあっただけだと思うので、あまり悲観してない」と、藤浪の次回登板に期待を込めていた。
藤浪は22年オフに阪神からポスティングシステムを利用してアスレチックスと契約し、23年にメジャーデビュー。同年途中にオリオールズに移籍し、昨季はメッツ傘下でプレーした。メジャーでは通算64試合(先発7)で7勝8敗、5ホールド2セーブ、防御率7・18で、今年1月にはマリナーズとマイナー契約を結び、今季は3Aで21試合に投げ2勝1敗4ホールド、防御率5・79だったが6月にリリースされていた。
16日にDeNA加入が発表され、18日の入団会見では「長いイニングでも短いイニングでもできると思ってる。チームに貢献したいのが一番ですし、チームの事情によって、両方できればいいなと考えております」と意気込みを語っていた。
NPBでは通算189試合登板、日本人メジャー歴代最速102・6マイル(約165・1キロ)という潜在能力の高さを備える長身右腕が、3年ぶりに日本の1軍マウンドでベールを脱ぐ。
◆藤浪晋太郎(ふじなみ・しんたろう)1994年(平6)4月12日生まれ、大阪府出身。大阪桐蔭3年時に甲子園で春夏制覇。12年ドラフト1位で阪神入団。13年にセ・リーグ高卒新人では67年江夏(阪神)以来となる2桁勝利。15年最多奪三振。14年日米野球、17年WBC出場。22年オフにポスティングシステムで大リーグに移籍し、アスレチックス入団。1年目の7月、オリオールズにトレードで移籍。24年はメッツと契約したが以降メジャーでの登板はなかった。197センチ、98キロ。右投げ右打ち。