
<プレミアリーグ:リバプール4-2ボーンマス>◇15日(日本時間16日)◇第1節◇アンフィールド(リバプール)
連覇を狙うリバプールの日本代表MF遠藤航(32)が、リーグ通算50試合目となったボーンマスとの開幕戦でアシストを記録した。後半15分から出場すると右サイドバックとボランチでプレー。追加タイムの同49分には自陣からのロングフィードでFWサラーのゴールを演出し、ホームで迎えた初戦を4-2の白星で飾った。
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遠藤は世界で最もスリリングなリーグを戦っている。一瞬のスキも許されない。相手ゴール前から自陣ゴール前まで「ボックス・トゥ・ボックス」で目まぐるしく攻守が入れ変わる。激しくも美しい。誰もが立てる舞台ではない。だからこそ見る者を興奮させ巨額マネーが動く。あらためてそう思わせる開幕戦だった。
2点リードがあえなく帳消しになった。慢心が見えた時間帯。ちょっとしたパスのズレ、判断ミスからカウンターを浴びた。失敗は成功の母というが遠藤は試合の中で修正。持ち前の危機察知能力で中盤を引き締めた。そして後半43分の勝ち越し後の追加タイム。反撃に来た相手の攻撃を阻み、自陣ゴール前からクリアさながらのロングフィード。カウンターのやり返しでサラーの得点を演出してみせた。ただ試合後は「(無失点のまま)締めなきゃいけないゲーム展開だった」と反省が口をついて出た。
プレミアにはエンタメ性がある。昨季リーグの総得点数は1115。合計380試合で1試合平均2・93点になる。同じ20チーム構成のスペインが995(平均2・61点)、セリエAが973(同2・56点)。攻撃志向、タレント性に加え環境面もある。ピッチサイズが狭くリバプールのアンフィールドは縦101メートル。FIFA推奨105メートルより4メートル短く、よりスピーディーな展開を演出する。
4-2の打ち合い。スロット監督は終盤の攻防に着目し「“3チーム”が素晴らしい試合をやった。なぜ3チームなのかと聞かれるでしょう。我々とボーンマスは最後まで全力で走りきった。そして審判もまた、少々のことで笛を吹かずに試合を止めなかった」。世界を魅了するスリリングなサッカーがここにはある。1つ1つのプレーが血となり肉となり、遠藤をより高みへと押し上げている。
○…プレミア50試合出場となった遠藤をクラブの公式インスタグラムが祝福した。「Wataru is on for his 50th Premier League appearance(ワタルはプレミアリーグ50回目の出場)」と題しプレー写真とともに紹介。「ワタルは日本のサムライだ」「ミッドフィールドでは遠藤が必要」などの声が寄せられた。