
欧州5大リーグ25-26年シーズンに総勢20人の日本人選手が挑む。MF遠藤航(32)が所属するプレミア王者リバプールは、15日(日本時間16日午前4時)にホームでボーンマスとの開幕戦を迎える。RソシエダードMF久保建英のスペイン、モナコMF南野拓実のフランスも今週末に、ドイツ、イタリアは来週22日(同23日)からのスタートとなる。来年のW杯北中米大会につながるシーズンとあって、遠藤ら日本代表選手はさらなる飛躍を誓う。
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「世界選抜のようなチームの中で」。日本代表の森保監督がよく例える言葉だが、その代表的なチームがリバプールだろう。遠藤はレッズの3番を背負って3シーズン目。その仕事人ぶりには誰もが一目を置く。
7月30日には横浜とのプレシーズンマッチを日産スタジアムで戦った。後半15分から出場するとDFラインの中央に入り、チームの安定感を高めた。流れが良くなり、ここから3点を奪い3-1と快勝した。
注目すべきは試合後だ。勝利チームセレモニーでシャーレを笑顔で受け取った。チームメートがロッカーへ下がっていく中、遠藤は1人だけピッチに出た。ファンサービスではない。フィジカルコーチのもと何本も何本もダッシュを繰り返す。ユニホーム姿のまま15分以上、全力で居残りの走り込みを行った。遠藤という選手がなぜ信頼されるのか、この姿に解がある。
レギュラーではない。後半途中から入り守備を固める「クローザー」の役回り。スロット監督は「彼はプロフェッショナルな選手」とその姿勢を高く評価する。横浜戦後にたっぷり汗を流した後、遠藤は地に足の付いた言葉を口にした。
「目の前の1試合1試合に勝つことだけ、チームに貢献することだけ考えたい」「毎試合ベストのコンディションで挑めるだけの準備だったり、トレーニングをしっかりやって、いいシーズンを過ごしたい」
日々の小さな積み重ねの大事さを説き続ける。そう、千里の道も一歩から。W杯で世界一という目標を掲げ、遠藤は地道に歩を進めていく。【佐藤隆志】