
中日中田翔内野手(36)が現役引退を決断したことが14日、分かった。近日中に発表される。
プロ18年目の今季は25試合で打率1割6分1厘、2本塁打、4打点。ファーム調整をへて7日に1軍に再登録されたが、3打席のみで12日に出場選手登録を抹消されていた。大阪桐蔭から高校生ドラフト1巡目の鳴り物入りで日本ハムに入団。巨人、中日とわたり、通算309本塁打をかっ飛ばしたスラッガーがバットを置く。
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球界の“大将”中田が、今季限りでユニホームを脱ぐ決断をした。中日加入から2年。経験豊富な主砲として大きな期待を背負ったが、酷使した体は悲鳴を上げていた。腰痛など度重なる負傷の影響もあって、思うような数字が残せず、引き際を決めたとみられる。
プロ通算18年、現役2位の通算309本塁打という記録と、記憶にも残るスラッガーだった。打撃だけでなく、柔らかいボールさばきで一塁部門で5度のゴールデン・グラブ賞を受賞。さらに親分肌で面倒見の良い性格から、後輩たちから「大将」という愛称で親しまれた。日本ハム時代から、中日2年目の今季も、広島の実家に後輩たちを招待する「中田会」を開催。グラウンド上だけでなく、懐の広い豪快な人柄と気取らない発言で、多くの人から愛された。
大阪桐蔭時代には、1年夏から名門の主力として投打で活躍した。高校通算87本塁打、甲子園通算4本塁打の超高校級スラッガーとしてプロ入り前からスター街道を歩んだ。07年に高校生ドラフト1巡目で4球団競合の末に日本ハムに入団。以降は北の大地の4番として、札幌ドーム歴代最多97本塁打、3度の打点王に輝いた。今はメジャーで活躍するパドレスのダルビッシュ有、ドジャース大谷翔平らとともにプレーし、チームを3度のリーグ優勝と1度の日本一にも導いた。
侍ジャパンでも13年、17年WBCと15年プレミア12に出場。日の丸を背負って球界を代表する強打者に成長した。21年途中に巨人に移籍すると、23年オフには出場機会を求めて中日へ移籍した。2年目の今季は体重を13キロ絞ってキャンプイン。8月7日の2軍親子ゲーム後に、井上監督が「代打陣に圧がほしい」と出場選手登録したが、出場はわずか5試合のベンチ入りで代打の3打席にとどまり、12日に登録を外れたばかりだった。
ロッテ唐川侑己、元楽天、ヤクルトの由規とともに「高校BIG3」と騒がれ、スター街道を駆け上がってきた中田翔。惜しまれつつも18年間のプロ野球生活にピリオドを打つ。
◆中田翔(なかた・しょう)1989年(平元)4月22日、広島市生まれ。大阪桐蔭では1、2年夏、3年春に甲子園出場。07年高校生ドラフト1巡目で日本ハム入団。14、16、20年打点王。21年8月、無償トレードで巨人移籍。22年に通算1000打点、23年に通算300本塁打を平成生まれで初めて記録。23年オフに自由契約となり、中日移籍。ベストナイン5度、ゴールデングラブ賞5度。13、17年WBC、15年プレミア12日本代表。今季推定年俸3億円。184センチ、107キロ。右投げ右打ち。