
J2北海道コンサドーレ札幌の新監督に就任した柴田慎吾氏(40)が12日、札幌・宮の沢での練習で初指導した。
練習後、会見に臨み、今季の目標として「何が何でもJ1昇格」を掲げた。今季のJリーグ最年少指揮官のOB監督が、今季残り13試合で現在11位からの浮上を狙う。
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柴田監督は、選手やコーチ陣と積極的にコミュニケーションを図りながら練習初日を終えた。札幌下部組織出身の選手の中には、かつての教え子もいる。顔見知りのコーチもいる。08年札幌同期入団のMF宮沢裕樹(36)ら、現役時代を知る選手もいる。今季から札幌U-18の監督を務め始めたばかり。トップチームの監督就任に「本当に覚悟を持って決意した」と、引き締まった表情で語った。
08年に大卒ルーキーとして、プロキャリアをスタートさせた古巣の監督を務めることになった。「いつかはトップチームの監督を夢見て、プロライセンスも取得した」。養成講習会受講の面接の際には「将来はコンサドーレ札幌のトップチームの監督になって、このクラブにタイトルをもたらすために受講したい」と志望理由を話した。夢のスタートラインに立った。
目指すは「スペースアタッキング」。昨季まで7シーズン指揮を執ったペトロビッチ元監督が根付かせた攻撃的サッカーを継承しつつ「もっともっと深めたい」という思いがある。「しっかり幅を使って仕掛けたい」と思い描く。
与えられたミッションは理解している。シーズン途中での監督交代。練習前のミーティングでは選手たちにバスケットボール界のスーパースター、マイケル・ジョーダン氏の名言「ステップ・バイ・ステップ」を引用しながら、熱い思いをぶつけた。「どんな状況でもいい、何位でもいい、何が何でもJ1に行く」。現在J2で11位。自動昇格圏内まで勝ち点11差、プレーオフ圏内まで8差、シーズンは残り13試合。厳しい道のりだが、大きな1歩1歩を進んで目標にたどり着くためにも、チームの一体感を求める。
初挑戦となるJクラブトップチームでの監督。今季のJリーグで最年少指揮官となるが「結果の世界。若さは関係ない。J1昇格に突き進むのみ」。まずは初陣となる16日ホーム秋田戦での勝ち点3に向けて、先頭を走り出した。【保坂果那】
◆柴田慎吾(しばた・しんご)1985年(昭60)7月13日、東京都生まれ。DFとして浜松大から08年に札幌(当時J1)に加入し、プロキャリアをスタート。10年は草津(当時J2)でプレーし、同年限りで現役引退。J通算18試合3得点。11年に札幌のジュニアスクールコーチに就任し、その後は旭川U-15監督や札幌U-15監督などを歴任。25年から札幌U-18監督を務めていた。家族は妻と2女。浜松大の同期にお笑い芸人EXITのりんたろー。がいる。