
<全国高校野球選手権:豊橋中央3-2日大三>◇11日◇2回戦◇甲子園
豊橋中央(愛知)エース高橋大喜地投手(3年)が、1発に泣いた。
2-2の同点で迎えた8回だ。「自分の真っすぐの球威がなかった」。先頭の相手4番に決勝ソロを被弾。カウント2ボールからの3球目、内角に投げ込んだ138キロ直球を左翼席まで運ばれた。それでも、8回122球の熱投で4安打3失点。計7四死球も与えたが、要所で踏ん張った。
“アントニオ猪木顔”で聖地を沸かせた。5回2死一、二塁。あごを突き出し、捕手からのサインにうなずく。今夏の愛知大会からピンチの場面で“猪木顔”をする独特のルーティーンを披露。このピンチを二飛で切り抜けた。自分らしさは全開だった。「小さい頃から人を楽しませることが好きだった。お客さんを楽しませるプレーはできたと思う。それが誇り」と胸を張った。
アントニオ猪木氏の好きな名言が「戦う前から負けることを考えるバカがいるか」だ。高橋は「その気持ちを持って試合に臨んだ。1度も『負ける』と思って投げたことはない」と涙をぬぐった。
チームは激戦区の愛知を勝ち上がり、甲子園初出場を果たすも、1点差の惜敗で聖地1勝を逃した。