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【甲子園】花巻東が智弁和歌山下す 菊池雄星、大谷翔平らが背負った「17」萬谷堅心が1失点完投


智弁和歌山対花巻東 9回表、力投する花巻東の萬谷(撮影・上山淳一)

<全国高校野球選手権:花巻東4ー1智弁和歌山>◇8日◇甲子園

花巻東(岩手)が今春センバツ準Vで優勝候補の智弁和歌山を4-1で下し、2大会ぶりに1回戦を突破した。先発左腕の萬谷(まんや)堅心投手(2年)が9回1失点で完投勝利。大リーグで活躍する卒業生のエンゼルス菊池雄星、ドジャース大谷翔平らが背負ってきた出世番号「17」を託された期待の星が、大仕事を果たした。

   ◇   ◇   ◇

一塁側ブラスバンドの音が、どんどんと大きくなっていく。「迫力あるなあ」。9回、萬谷は2死走者なしから失策と四死球で満塁の危機にいた。智弁和歌山の“魔曲”「ジョックロック」が耳をつんざく。驚きながらも、大音量に押し負けない。焦らず、3番奥をこの日徹底してきた緩急で攻めた。「相手の流れに捕まらないようにゾーンにとにかく投げよう」。156球目、最後は高め130キロ直球で空振り三振に仕留めた。

今春センバツでは「14」だったが、今夏は「17」を背負う。07年大会で当時1年生の菊池がつけ、系譜は大谷、西舘勇陽(巨人)らに引き継がれて「出世番号」となった。1年時に任された時の本心は「自分がつけて良いのかな」。佐々木洋監督(50)から「ああいう偉大な投手になってほしい」との願いを込め、再び「17」を託された。「戻ってきた…」と高ぶった。

初回、強力打線の洗礼を浴びた。いつもより汗ばむ指先が、制球をわずかに乱す。4番福元に二塁打を浴びて先制を許した。「何点でも取られていい」。試合前、指揮官に背中を押された。気持ちはなえず、「低めの変化球で打ち取る」と念じ、投げ続けた。5回無死一、二塁の危機も自らバント処理で三塁封殺で切り抜けた。菊池以降、春夏の甲子園で「17」を背負った選手は6人いたが初完投。“出世頭”となった。

「まだ、それほどの選手じゃない」。花巻東入学の決め手となった同じ左腕で菊池の後継者扱いに、謙虚に言う。「プレーもですが、人間性なども聞いていて。目指す選手だなって」。ごみ拾い、掃除など生活面も含めて尊敬はやまず、自身も心がける。ゆえに差も分かる。

いまはまだ目標を「メジャーリーガー」とは書けず、「プロ野球選手」と記す。力強い速球派ではなく、最速138キロの「打たせて取る。そこが自分らしさ」だ。ただ、「17」での甲子園初完投の1勝は「次も期待に応える投球を」と自信も深めた。出世の階段を上り、菊池ら先輩たちもなしえなかった頂上へ登り詰める。【阿部健吾】

◆花巻東 1956年(昭31)創立の花巻商(のちの富士短大付花巻)と57年創立の谷村学院が82年に統合した私立校。生徒数は753人(うち女子336人)、野球部は56年創部で部員数は97人(うちマネジャー3人)。甲子園出場は春5度、夏13度目。佐々木監督の「世界で活躍できる人材を育てたい」との意向で、来年には米国、ドイツからの入部予定者もいる。所在地は花巻市松園町55の1。小田島順造校長。

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