
<中日8-3阪神>◇7日◇バンテリンドーム
夏真っ盛り、若虎も熱い! 阪神中川勇斗捕手(21)が高卒4年目で特大のプロ初本塁打を放った。プロ初の5番スタメン起用に応え、中日ドラフト1位左腕の金丸から超フルスイングで左翼席中段にたたき込んだ。アーチに感情を爆発させ、凡打でもヘッドスライディングをいとわなかった若虎。夏甲子園を戦う高校球児に負けないハツラツプレーでナインに気合を注入した。チームは8失点で3試合ぶりの黒星を喫したが、対象チームの巨人が負けたため、優勝マジックは一つ減って31となった。
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胸に刻まれたレジェンドの姿が、プロで戦う道しるべとなっている。小学6年時の15年。中川は「イチロー杯争奪学童軟式野球大会」に出場。愛知生まれの中川は、イチロー氏の地元豊山町と隣り合う小牧市出身だった。
見事3位に入賞し、閉会式で当時現役メジャーリーガーだったイチロー氏と握手。今年、日本人初の米国野球殿堂入りも果たしたヒーローが、目の前にいる。「当たり前のように普通に打ってたので、すごいな…。すごいしか出てこない」と感激した。
その際にイチロー氏から送られたのは、今にもつながる金言だ。「みんながプロ野球選手を目指すとしても、プロ野球選手になれなくても、いま大好きな野球をどんな形でも続けてほしい」。あれから10年。失敗しても、あきらめずに取り返す。「何がダメだったか反省して、受け止める」の信念で、これからもグラウンドで躍動し続ける。【阪神担当=塚本光】