
<全日本大学野球選手権:東北福祉大8-5青学大>◇14日◇準決勝◇神宮
青学大(東都)が挑んだ史上初の大会3連覇、また2年連続大学4冠の夢が破れた。
深いため息に、悔しさが混じった。先発のエース、中西聖輝投手(4年=智弁和歌山)は「初回からリズムを作ることできなくて、無駄なボール球だったり、攻撃に勢いをつけられないピッチングが続いた。こういう結果を招いてしまったのは全て自分の責任」と話すと、大きくため息をついた。
初回から走者を背負う苦しい展開だった。1点ビハインドで迎えた4回には味方打線が4点を挙げ逆転に成功したが、5回には再び東北福祉打線につかまり、この回途中で降板。この回だけで5失点した。リードを守ることができなかった。「逆転してもらったイニングで、すごく気合を入れて投げたんですが、止められなかった」。再び、深いため息をついた。
初戦の奈良学園大(近畿学生)戦で7回を1安打無失点と好投。「僕自身、初戦と変わらない。絶好調の感じで入った」と、振り返ったが、決め球の真っすぐとフォークを見逃されたり、ファウルにされたりした。甘く入ったボールは確実に捉えられ、いつもの攻めの投球が影を潜めた。3回には中野真博コーチ(49)がマウンドに駆け寄り「落ち着いてるように見えるぞ。聖輝はもっと荒々しく気迫のこもった投球で空振りを奪うだろ」と、声をかけられハッとした。「抑えてやるぞ、と腹をくくったんですが、それでも抑えられませんでした」。4回1/3を投げ9安打6失点。東北福祉大打線の勢いにのみ込まれた。
チームが目指した大会3連覇は達成できなかった。「去年、今年とつなげてくれた先輩たちに申し訳ない気持ちと。それを成し遂げられなかった、自分の情けなさ。ふがいなさを強く感じた」と、悔しさをにじませた。
選手たちは3連覇という目に見えない大きなプレッシャーと戦ってきた。安藤寧則監督(48)は「やりがいに感じなくてはいけないですし、そういうところを超えられる強さを作らなくてはいけないと勉強させられました。でも、選手たちは本当によくやった」と、下を向く選手たちをねぎらった。
秋はリーグ6連覇、明治神宮大会2連覇と、まだまだ挑戦は続く。安藤監督は「この敗戦を受け止めて、やってきたことの積み重ねをもう1回、見返してやっていくしかない」と話した。頂点を極めたチームが味わう屈辱。さらなる成長を全国の舞台で誓った。