
第74回全日本大学野球選手権に出場する東北地区の出場校を3回にわたり紹介する。第2回は春季リーグ戦にて8季連続、40度目の優勝を飾り南東北大学リーグ代表として臨む東日本国際大。昨年の4強を超え、日本一の景色を見るためチームを束ねてきた佐藤紅琉(くりゅう)主将(4年=明秀学園日立)と昨年の同大会での雪辱に燃える三井颯大(そうた)捕手(3年=聖望学園)が意気込みを語った。
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全国の舞台を前に佐藤紅主将は「東日本国際大学は打ち勝つ野球なので、それを全国に見せていきたい」と力強く宣言した。今春リーグ戦で4割4分8厘をマークした長島汰平内野手(4年=御殿場西)や3割8分9厘をマークした黒田義信内野手(3年=九州国際大付)ら、好打者ぞろいの打線を引っさげ躍動するつもりだ。
一方で、こうも続けた。「(守備の時)フィールド上では9対1じゃないですか。ピッチャーが投げている時も野手1人1人がしっかり仕事をして、ピッチャーが何倍も大きく見える、守りから攻める姿勢で挑んでいきたい」。攻守において隙を見せずに戦い抜くことも誓った。
守備の要が三井だ。1年時から公式戦に出場し、昨年6月の全日本選手権でもマスクを被った。準々決勝の上武大戦では自らの後逸で得点を献上。準決勝の早大戦では接戦の末に3-4で敗れ「あと1歩及ばなかったのは、どこかしらの隙があったと思う。今年はそこを詰めてきました」という。
苦い経験を糧に成長を遂げてきた。今春リーグ戦でも9試合で先発出場し、最優秀投手賞と最多勝利投手を受賞した阿字悠真投手(4年=滋賀学園)らをリードして優勝に貢献。「コミュニケーションを大事にしながら、ピッチャーから信頼されるにはどうしたらよいかを考えてやっています。(投手が)できるだけ腕を振れるように、ワンバンでもしっかり止められるようにとか」。頼られる捕手とは何かを考え、常に自分に向き合ってきた。
初戦は、東北福祉大と九州産業大の勝者と対する。「(相手は)1回戦を勝って勢いがあると思うので、バッテリー中心でリズムをつくりたい。キャッチャーの自分が要として、チームを引っ張っていきたいです」。何倍も頼もしくなった姿で投手陣をリードしていく。【高橋香奈】