
<日本生命セ・パ交流戦:日本ハム6-1ヤクルト>◇12日◇エスコンフィールド
日本ハム新庄剛志監督(53)が「新庄スペシャル」を繰り出し、交流戦初の同一カード3連勝、3度目の挑戦で今季初の貯金10に達した。3回2死一、三塁。清宮幸の打席で一塁走者の五十幡が二盗を狙いスタート。捕手から二塁へ送球されると、三塁走者の進藤が本塁へ猛ダッシュし、勝ち越し点を奪った。
「(打席の)清宮君が1球目のスイングが情けなかったので、これは仕掛けようと。アビラ投手が(ピッチャーカットの)サインを見落とすかもしれない。(引っ張りの多い)清宮君だからサードも内側に寄っていて(三塁走者の)進藤君もリードを大きく取れるかなと」
さまざまな要素を一瞬で総合的に判断しての、妙策だった。
今季一、三塁で重盗をしかけたのは初めてだったが、2月の沖縄キャンプの練習試合で試し、成功した。事前にチェックは済ませており、今季も勝負どころで、ばっちり決めた。
1つ心配なこともあったと言う。
「(投球が)ワンバンだけはやめてくれと思ってました」
捕手が二塁へ投げることで、成功への道筋ができる作戦。そこも俊足五十幡が一塁にいたことで、アビラの投球は高めのストレート。“勘ピューター”もさえわたっての、貴重な1点だった。
左脇腹肉離れで2軍調整していた野村も、13日の広島戦から1軍合流する予定。今季は開幕4番を任せたが今回は「4番じゃないから」と指揮官。チーム内競争で、さらに打線の厚みを増していく。【永野高輔】