
<日本生命セ・パ交流戦:ソフトバンク0-0巨人>◇12日◇みずほペイペイドーム
ソフトバンクが「日本生命セ・パ交流戦」で単独首位に躍り出た。巨人戦に先発した大関友久投手(27)が9回111球の熱投で3安打無失点の快投。勝利こそ逃したが、5回終了まで完全投球を披露し、0-0の延長12回ドローに導いた。交流戦は5勝3敗1分けの貯金2で折り返し。残り3カードで12球団最多9度目の勝率1位フィニッシュへ突き進む。
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大関の左腕がうなった。1回先頭、泉口の見逃し三振から打者15人連続アウト。前日に11安打7得点の巨人打線から凡打の山を築いた。「過剰な意識はありませんでしたが、ランナーが出ていないことは分かっていました」。6回、増田陸に初安打を浴びたが冷静さを貫いた。
5回完全投球を含む9回3安打無失点。「すごくいい投球ができたと思います」。自身も納得する今季最多111球の熱投だ。「最近自分が取り組んでいたフォームがしっかり狙い通りにハマってくれたと思います」。投球フォームは3~4週間前から微修正を繰り返してきた。「ボールの数値は結果。自分が理想とする投球を目指してフォームを作った」。大関の力投に2番手以降の杉山、藤井、オスナも応えて無失点リレー。負けていれば痛恨のパ・リーグ「ひとり負け」だったが、投手陣の奮闘が延長12回ドローに導いた。
交流戦は前半3カードを終えて5勝3敗1分け。この日で単独首位に躍り出た。小久保監督は大関に「素晴らしかった。今年一番のピッチング。しっかり軸として回ってくれている」と最大級の賛辞を送った。残り3カードで12球団最多9度目の勝率1位フィニッシュを狙う。最も“優勝”に近い位置にいるが、指揮官は「まだ半分しか終わってないので」と冷静に話した。
13日からは本拠地でDeNA3連戦。昨年の日本シリーズで日本一を明け渡した宿敵だ。初戦の先発はモイネロ。前回8回18奪三振の左腕エースが、大関の快投に続いてみせる。【只松憲】