
中日祖父江大輔投手(37)が、11日の楽天2回戦(楽天モバイルパーク)でプロ通算500試合登板を達成した。実家は名古屋市内で「日邦製菓」を営みキャラメルが有名。工場長を務める父明彦さん(68)が12日、息子の偉業を喜んだ。
「500登板やりましたね。今朝、テレビを見て知りました。まだ2軍にいるとばかり思っていたので…。野球の話を家で妻ともしませんので」と笑った。
球団では、星野仙一に並ぶ歴代4位。1位は岩瀬仁紀の1002試合登板。2位は鈴木孝政の586試合、3位は山本昌の581試合。プロ12年目、中継ぎ一筋での大台到達だ。「息子は先発とか華々しくない。振り返ってみると負けている試合で投げていることも多いじゃないですか」と話すが、どんな場面でも投げ続け、コツコツと登板数を重ねてきた。
大きな故障を知らない丈夫な体は祖父の治さん譲りだという。「おじいさんが骨太で、体形も似ている。私は細いんで」と話す。3年前になくなった治さんは90歳を過ぎてもゴルフを楽しんでいたという。中日ファンで「喜んでいるでしょう」と明彦さんは話す。
地元名古屋では有名なキャラメル。「ミルクキャラメル」「黒ごまキャラメル」「コーヒーキャラメル」など人気の商品も多い。祖父江も13年12月の仮契約時に「少し照れくさいですけど有名にしたいですね」とプロで活躍してアピールすることを誓っていた。明彦さんは「おかげさまで、たまにファンの方が買っていってくださいます。でも、息子は小さいころからそんなにキャラメルばかり食べていたわけではないんですけどね」と、キャラメルが頑丈な体をつくったわけではないと笑った。今でもキャンプ時にはキャラメルを差し入れ、チーム内でも喜ばれている。
「私は気が小さいのでいつも見る時は、打たれるんじゃないかとハラハラしてしまう。だから、投げるところは見られないんですよ」。これからもチームのために黙々と投げ続ける右腕を父は静かに応援している。【石橋隆雄】