
<日本ハム-ヤクルト>◇11日◇エスコンフィールド
日本ハムのフランミル・レイエス外野手(29)が“魚雷1号”を放った。1点を追う1回2死一塁。10日から使用し始めたトルピード・バット(通称・魚雷バット)を持って打席へ。カウント2-1からのファーストスイング。ヤクルト高梨のフォークを捉えて、左中間へ逆転の13号2ランを放った。「高めに浮いた球を逃さずに、しっかり捉えることができてよかった」と笑顔でゴリラパフォーマンスだ。
鬼に金棒ならぬレイエスに魚雷-。頼もしい相棒を握って3回の第2打席も臨んだ。無死二塁打から今度は左前適時打。「初球から打ちにいこうと決めていました。振り切ったことでいいところに落ちてくれた。ラッキーです」。積極的なフルスイングで幸運も味方に付けた。ただ、1つだけ誤算だったのは魚雷バットが折れてしまったこと。それでも、気分はいい。さらに気持ちは乗った。
4回2死一、三塁で回ってきた第3打席。通常のバットに戻したが、再び初球打ちで中前適時打だ。「前の打席と同じで狙い通りではなく詰まりましたが、チームの勝利に近づくバッティングができてよかった」。この時点で打点も35まで伸ばし、リーグトップを独走し始めた。
NPBトップクラスのパワーヒッターがノリノリでスイングすれば、怖いものはない。もちろんバットの種類も関係なし。打線全体も勢いづいて、5回まで毎回得点と打ちまくった。昨季は打撃不振で交流戦はほぼ出場がなかったレイエスが、セ界に実力を発揮し始めた。【木下大輔】