
浜松開誠館がPK戦の末、4-3で3連覇を狙った静岡学園を破って、初優勝に王手をかけた。PK戦ではGK吉田壮馬(3年)が1本止めた。準々決勝を主力温存で勝ちきった策が奏功した。藤枝東もPK戦の末、5-3で磐田東を撃破。7年ぶりの全国出場へあと1勝とした。全国切符をかけた決勝は7日、袋井・エコパスタジアム(午後1時30分)で行われる。
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藤枝東が、苦しみながらもファイナルへの扉を開いた。1-1で突入したPK戦。4人目がゴールの枠を外した相手に対し、全員が成功。最後はGK宮崎真心(3年)が左隅に沈め、歓喜の笛が鳴り響いた。接戦に終止符を打った守護神は「学校のみんなが来てくれた前で負ける訳にいかなかった。ホッとした」と応援席の前までダッシュ。全員で喜びを分かち合った。
しぶとかった。序盤から攻め手を欠き、前半6分にはDFラインの背後を突かれて先制を許した。それでも、後半36分。ゴール前で間接FKを得ると、MF泉孝太郎(3年)がフィニッシュ役を担った。「ここで決めないとチャンスはないと思った」。味方が触ったボールに右足を合わせ、ゴール右隅を射抜いた。土壇場の同点弾で何とか勝機をつなぎ、競り勝った。
昨年に続き、2年連続の決勝進出。1年前は静岡学園に1-2で敗れ、準優勝に終わった。同校OBで就任1年目の植松弘樹監督(42)は「苦しい中でもみんなでつなぎとめ、決勝に臨めるチャンスをもらえた。それを無駄にしないように1週間、しっかり準備をしていきたい」と表情を引き締めた。7年ぶりの全国総体まであと1つ。次は、大舞台へとつながる扉を開く。【前田和哉】