
<新潟県高校総体・サッカー>◇29日◇準々決勝◇長岡ニュータウン運動公園ほか
開志国際が新潟工を1-1から突入したPK戦(5-4)で破り、2大会ぶりに4強に進出した。前半14分、FW鈴木幸太郎(3年)のロングスローから先制。後半に追いつかれ延長戦でも決着せず、迎えたPK戦でGK冨樫花道(3年)が相手5人目のキックをセーブし、6人目のミスも誘って勝利を呼び込んだ。昨年度全国総体3位で、県総体4連覇を狙う帝京長岡はFWで先発した上田十輝(3年)の2得点で開志学園JSCを2-1で下した。6月1日の準決勝は帝京長岡-開志国際、新潟明訓-北越に決まった。
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創部10年目の開志国際が攻守2人の活躍で4強進出を決めた。1-1で迎えたPK戦でGK冨樫が、先攻・新潟工5人目のキックを左に飛んでセーブ。サドンデスに突入した6人目のシュートにも反応してミスを誘い、5-4の勝利を引き寄せた。
開志学園JSCとの下越地区決勝でもPK戦で3本ストップし、地区初優勝の立役者となっていた守護神は「チーム全員でつかんだ勝利。2年前の先輩たちが果たせなかった決勝進出を果たしたい」。劇的勝利にも浮かれることはなかった。
前半14分に幸先よく先制した。ファーサイドまで飛ばす山なり、低弾道、ストレートを投げ分ける鈴木のロングスロー。そのこぼれ球をMF飯尾伊純(3年)が押し込んだ。鈴木は「警戒されている中でも得点できたところは好材料」。ここまでの連戦、連投に疲労はたまるが「勝ち続けているから、いい疲れ」と笑い飛ばした。
試合開始前にはハプニングが発生した。応援団を乗せたチームバスのタイヤが高速道でパンク。ウオーミングアップの段階で応援席はスカスカだったが、修理を済ませて何とか試合開始前に滑り込み、大声援を送られた。冨樫と鈴木は「事故がなくて良かった。苦しい時間帯であの応援は心強かった」。声をそろえて感謝した。
チーム一丸となって臨む準決勝は、県総体4連覇を狙う王者・帝京長岡とマッチアップする。最後方から守備を支える冨樫が「俺が得点されなければ負けることはない」と気合を入れれば、得点源の鈴木も「やったりますよ」と挑戦状をたたきつけた。【小林忠】