
<阪神1-0DeNA>◇27日◇倉敷
現役時代の指揮官のように、盤石なリリーフたちが完璧な無失点リレーを完成させた。最初の出番は左腕、及川雅貴投手(24)。7回1死一、二塁で、先発才木の後を受けてマウンドへ。暴投で二、三塁とピンチを広げるも3番佐野、4番オースティンをともにスライダーで連続三振。「投げミスがなかったのがストレートにも意識付けできましたし、前の過程からいい組み立てができたんじゃないかと思います」。力強いガッツポーズで盛りたてると、4人の投手も続いた。
8回に登板した石井から守護神岩崎、湯浅、岩貞と全員が3者凡退。みんなで0を並べての劇的な勝利。及川も「毎回言っている通り、それこそ協力なんで助け合いもありますし、1人1人つないでという結果だと思う。継続してみんなで頑張っていければ」と満足そうに振り返った。
指揮官として初めてのサヨナラ勝ちに、藤川球児監督(44)のほおも緩んだ。「僕も現役の時はリリーフでしたから、よくサヨナラ押し出しは見てきた。最初のサヨナラがそれで、リリーフ、投手陣がしっかりとつないできて、守る方も守りながら、タイガースらしいサヨナラのシーンだったなと思いましたね」。脳裏に浮かんだのはかつての記憶。何度も経験したヒリヒリとする接戦を、系譜を継ぐ後輩たちがものにした。
23日中日戦に続き延長戦で勝利し「私が現役の時を思い出すような、毎日こういうゲームで。頭が下がるというところ」と最敬礼。みんなで守り抜く、これが虎の戦い方だ。【磯綾乃】
阪神石井(8回に登板し3者凡退)「いろんな反省ありますけど、まずは3人で0で抑えられたのは良かったと思います」
阪神岩貞(延長11回を抑え今季2勝目)「長打が命取りというところで低めを意識しながら、梅野とも意識を確認しながらしっかり投げられて良かった。リリーフ陣で勝つゲームだったのでみんなで抑えることができて良かったです」