
<春季北海道高校野球:札幌大谷7-2苫小牧中央>◇27日◇1回戦◇札幌円山
9年ぶりの春頂点を狙う札幌大谷が、先発全員の14安打で苫小牧中央を下した。1年生スラッガーの矢野秀内野手が1安打1打点に加え、三塁守備でも美技で貢献。山崎有歩外野手(2年)も2安打2打点と下級生が躍動した。
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下級生の躍動が初戦快勝の原動力になった。1年生の矢野は、6回1死二塁で中前適時打。「絶対打とうと思っていました」。三塁守備でも、5回2死満塁のピンチに、三遊間の安打性の打球をダイビングキャッチし相手に流れを渡さなかった。
札幌大谷中3年時の冬場に同校の練習に参加。168センチの小兵だが、地区予選の2回戦・札幌国際情報戦では、両翼101・5メートル、中堅122メートルのモエレ沼公園野球場で自身初本塁打を放った。改修後、4月に供用が開始された同球場の記念すべき第1号本塁打でもあった。五十嵐大監督(38)は「地区予選からパワーが増していた」と目を細めた。
今春初めてベンチ入りした2年生の山崎有も、1点リードの5回に2点目へとつながる左越え二塁打を放つと、6回2死二、三塁の続く打席は左前2点適時打。同監督は「5回の追加点が大きかった。山崎がうちの目指す粘りのバッティングでチャンスを作ってくれた」と評価した。
練習の虫で、この日も早朝4時に起床。毎日のルーティンとなっている公園でのランニング、自宅内での発泡スチロール製ボールのティー打撃を約50分間行い、試合に臨んだ。「ティーは体の近くにボールを置いて、素早くボールに当てることを意識して」振っており、5回の二塁打は努力のたまものだった。
スタメンに5人名を連ねた3年生も負けじと安打を重ね、先発全員14安打7得点。9年ぶりの春制覇へ勢いづく勝利となった。