
日本サッカー協会(JFA)は23日、千葉市内で、26年ワールドカップ(W杯)北中米大会アジア最終予選オーストラリア戦(6月5日、パース)、インドネシア戦(同10日、パナスタ)に臨む日本代表メンバーを発表し、MF佐野海舟(24=マインツ)が約1年2カ月ぶりに復帰した。
佐野は今季マインツで全試合に出場する素晴らしいパフォーマンスを見せた一方で、昨年7月に不同意性交容疑で逮捕されたが、同7月29日に釈放され、同8月8日には不起訴処分となっていた。
それだけに日本代表復帰には時間を要した。今回の招集について問われると、山本昌邦ダイレクターは「JFA(日本サッカー協会)のスタンスとして、差別、暴力、ハラスメントには厳正な姿勢で臨みます。選手、指導者の啓発活動も行って参ります。佐野選手を招集しましたが、相手の方に対して話し合いをしたことを確認している。そして本人が深く反省していること、不起訴処分という判断が検察よりなされており、刑事事件としては罪に問われず終了している琴を考慮した」と説明した。
また、森保一監督も「私自身もコンタクトを取ったし、深く反省しているところを強く感じた」と多くの話し合いを持った上で、招集への踏ん切りを付けた。
「ドイツでプレーしている中、真摯に向き合って、社会に貢献するという強い気持ちを持ってプレーしている。我々としてもまたチームに迎え入れて、社会に貢献する日本代表の一員として戦っていいのではないかという判断をさせていただいた。ミスを犯した人間を排除するのでなく、チームの一員を家族と考えた時に、指導者として選手と向き合う中、1人の人間として、ミスを犯した選手をそのまま社会から放任するのか、サッカー界から葬り去るのかということに関しては、再チャレンジする道を家族として与えることの方がいいのではないか」などと話した。