
<巨人1-7阪神>◇6日◇東京ドーム
もはや敵地は大好物!? 阪神が巨人との直接対決で連日の快勝を収め、4月29日以来となる単独首位に立った。絶好調の3番森下翔太外野手(24)が1回に先制打を放ち、2回は3戦連発となる左越え5号2ラン。初回から3イニング連続2得点から2カード連続の勝ち越しを決めた。東京ドームで開幕から無傷の5連勝は球団史上初の快挙。9連戦最終日となる7日も、こりゃあ期待できまっせ!
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前夜の流れは本物だった。2回2死一塁。森下は真ん中付近の136キロカットボールにグッとこらえた。両手を離すことなく、フルスイング。打った瞬間、左翼席からは大歓声が上がった。バットを握ったまま打球を見届け、やがてスタンドイン。悠々とダイヤモンドを回った。
「いい角度で上がってくれた。いいホームランでした」
3試合連発となる今季5号2ラン。初回1死三塁の初打席でも、ライナーで左前に運ぶ先制適時打を放ち、チームに主導権をもたらした。ソロ弾を含む4安打4打点を放った前夜から数えて、この試合の2打席目までで6打席連続安打。この日の2安打で、2位の巨人吉川に3本差をつけるセ・リーグトップの44安打目をマークした。
「ただ調子が良い悪いとかそういうものではなく、1試合1打席ごとに自分の中で課題を持ってやっているので。それが大きなブレを生むことなく、結果を出せているのかなと思う」
世間はゴールデンウイーク最終日。子どもたちが多く見守る中で、連夜の大活躍となっている。「子どもたちに夢を与えられる職業。ゴールデンウイークというタイミングがいい時に自分の活躍した姿を見せられたのは、いいことじゃないかなと思います」。
自身もかつては1人の野球少年だった。幼少期、普段の学校生活などでは両親に起こされることもしばしば。一方で母ゆりさんいわく、野球が絡んだ時は別人だったという。「小さい時から野球に行く時間は守っていた。遅刻しないとか、『いつ行かないといけない』とか。好きなことで前向きにやっていたんだなと思います」。
好きな野球だからこそ、夢中で白球を追いかけてきた。その日々は今も変わらない。大好きな野球と向き合い、技術を磨いてここまでたどり着いた。
チームは球団史上初めてとなる東京ドームでの開幕5戦5勝。7得点の大勝で、4月29日以来の単独首位に返り咲いた。藤川監督も「数字が物語っていますし、いい結果をたくさん持ってきている状態ですからね。丁寧に日々やってくれていますね」と目を細める24歳。絶好調の3番が頼もしい。【波部俊之介】
▼阪神が開幕から東京ドームの巨人戦に5連勝。52年のフランチャイズ制以降、ビジターの巨人戦で開幕5連勝以上は、73年中日7連勝(後楽園)84年中日8連勝(後楽園5、盛岡、仙台、郡山)17年広島8連勝(東京ドーム6、岐阜、京セラ)24年ヤクルト5連勝(東京ドーム)に次いで5度目となり、阪神では初めて。
▼東京ドームの巨人戦に限れば、開幕5連勝以上は前記17年広島(7連勝)、同24年ヤクルト5連勝に次ぐ。これで東京ドームの巨人戦は通算189勝263敗12分け、勝率4割1分8厘となった。今季は苦手球場でどれだけ連勝を伸ばせるか?
▼また、前日の6回から7イニング連続得点。阪神の7イニング以上連続得点は14年9月17日ヤクルト戦の8回~19日中日戦の6回に記録した8イニング連続以来で、巨人戦では初。
阪神佐藤輝(1安打。初回には大きな左飛)「あと1メートル、2メートル飛ばせるように頑張ります」