
<春季高校野球新潟大会:柏崎6-0十日町>◇3日◇2回戦◇柏崎市佐藤池球場
柏崎が十日町に6-0で勝った。エース飛田寛人投手(2年)が散発4安打で公式戦初完封。初完投だった1回戦の小出戦(7-1)に続いて9回を投げ切り、チームを3回戦に導いた。
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ギアを1段上げた。9回裏、2四球で招いた2死一、二塁のピンチ。飛田はこの日8個目になる三振を空振りで取って最後を締めた。「点を取ってくれた後の回は0で抑えようと思った」。最終回のマウンドで、実は軸足の右足がつっていた。それでも意に介さない。9回表に2点を追加して計6点のリードをくれたチームメートの思いに「一番良かった」という直球で仕留めて応えた。
「リラックスして投げられた」。126球を投じても球威は落ちなかった。カットボールとカーブは、見せ球にも決め球にもなるほど精度が高かった。散発4安打で長打はなし。唯一、三塁を踏ませた5回裏2死二、三塁も空振り三振で切り抜けた。高橋雅之監督(59)は「冷静に投げていた。バタバタしなかった」と安心して見ていた。
1回戦の小出戦は3安打1失点、12奪三振で公式戦初完投。ただ、走者を出した後に暴投3を記録した。十日町戦は1。小出戦後、高橋監督からステップの修正をアドバイスされた。捕手の和久井凌馬(2年)とも打ち合わせをし、「走者を出しても、次の打者に集中する」と気持ちの切り替えを意識した。試合のステージが上がると同時に、投球内容のレベルを上げた。
冬場はトレーナーの指導で体の使い方のトレーニングをするなど、根本的な動きを見直した。その成果は春の2試合で形になった。高橋監督が「もともといい投手だし、まだ発展途上」という未完の大器。飛田は「これからも1つ1つアウトを積み上げていく」と、目の前の打者との対戦に力を注ぎながら柏崎の快進撃をリードする。【斎藤慎一郎】
◆飛田寛人(とびた・ひろと)2008年(平20)10月6日、柏崎市生まれ。半田小1年から野球を始める。鏡が沖中で本格的に投手に。柏崎では1年夏からベンチ入り。昨秋は背番号「11」で、今春、背番号「1」。好きなプロ野球選手はドジャース山本由伸。180センチ、74キロ。右投げ右打ち。