
<春季高校野球新潟大会:日本文理12-3新潟青陵>◇27日◇三条パール金属スタジアムほか◇1回戦
日本文理が新潟青陵に12-3で7回コールド勝ちした。今春、背番号「1」をつけた番場晃太郎投手(3年)が公式戦初先発。3回を1安打無四球、3奪三振で無失点と好投した。長岡南中の先輩でもある日本文理OBのロッテ田中晴也投手(20)は、この日の日本ハム戦で先発し、今季2勝目をマーク。あこがれの先輩と歩調を合わせるようにエースとしての存在をアピールした。
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テンポのいい投球で番場が試合の流れをつくった。「ストライク先行でいく」。184センチの体を大きく使ったフォームで丁寧にストライクゾーンにボールを集める。初回、先頭打者に初球を右前に運ばれたが、「読まれていた、と思ったくらい」と落ちついて後続を断つ。出した走者はこの1人だけだった。
初の先発マウンドに「少し緊張した」と言う。それでも表情に戸惑いはなかった。スライダー、カーブをコーナーに決めて各回1つずつ三振を奪う。3回と短めながらも、1回裏に大量8点を挙げた打線の下支えをする安定した内容でマウンドを降りた。
もっとも、淡々とした表情とは裏腹にテンションは高かった。長岡南中、日本文理と同じ道を歩んだロッテ田中がこの日の日本ハム戦に先発。番場は田中が高校時代につけた背番号「1」を初めて背負って同じ日にマウンドに立つ。「晴也さんと同じ。やはり意識する」。最速156キロの速球を武器にする先輩とは異なる技巧派。それでも5回6安打2失点、6奪三振で2勝目を挙げた田中と同じように、持ち味を発揮してチームの勝利に貢献した。
高校で初のベンチ入りしは昨秋だった。背番号「10」で、3番手で2度登板した。冬場に短い距離から同じコースに10球連続で投げ込むなど、持ち味の制球力を磨いた。「力をつけたので1番を背負ってもらった」。鈴木崇監督(44)が言うように、ひと冬越えてエースナンバーを実力で手にした。「夏までに晴也さんに近づけるように」と番場。春のマウンドはそのための通過点。チームをけん引して先輩を超える存在を目指す。【斎藤慎一郎】