
<ブレーブス1-2ドジャース>◇2日(日本時間3日)◇トゥルイスト・パーク
【アトランタ(米ジョージア州)2日(日本時間3日)=斎藤庸裕】ドジャース山本由伸投手(26)が、“MVP級”の投球で4勝目を手にした。敵地でのブレーブス戦に先発し、6回1安打無失点。6回2死まで無安打に抑え、三塁を踏ませない投球で圧倒した。試合前には大リーグ機構(MLB)の発表で、ナ・リーグ月間最優秀投手に初選出。日本人選手のパイオニア、球団OB野茂英雄氏(56)のメジャーデビューから30年。米球界で名をはせる投手が、また1人現れた。
◇ ◇ ◇
「切り替え力」。山本の言葉やマインドからよく感じられることだ。4月22日から2日間、カブス戦で敵地シカゴへ遠征した。昨年4月6日、メジャー初勝利を挙げた記念すべき場所。感慨に浸ることはあるのか、「節目? 日々、いろんな出来事が起きていくから、深く振り返ることがないというか、あんまり気にしてないです」と、さわやかに笑い飛ばした。たとえそれが記憶に残る1勝でも、次なる登板はすぐにやってくる。修正、改善、予習復習…。印象深い思い出はあっても、進化を続けるために日々、前進することが頭の中を占める。
この日のブレーブス戦でもそうだった。投手部門の月間MVPに選出され、「すごくうれしく思いますね。事前に知らされてなかったので、僕もネット(記事など)で知りましたけど、そういう感じかと思いました。ハハハ(笑い)」。MLBから発表されたのは試合開始の約2時間前。その後、快挙をたたえるニュースを目にしたようだ。登板が目前に迫っていたが、マウンド上では期待通りのピッチングを披露した。
感情を揺さぶられる出来事があっても、あっけらかんと笑う。前を見て、やるべきことに集中する-。シンプルなマインドの切り替えが、進化を続ける一因にもなっているに違いない。【斎藤庸裕】