
<西武1-0ソフトバンク>◇19日◇ベルーナドーム
打線が湿っているソフトバンク相手でなくても、この日の西武隅田知一郎投手(25)なら完封できただろう。被安打4、無四球、9奪三振、104球で今季3勝目。マダックス(100球未満での完封)こそ逃したが、ほぼ完璧な内容だった。
「興奮しています。こちらが攻めていけるようにと考えながら投げました」。象徴的だったのが山川への攻めだ。150キロ台の速球で内角をえぐり、フィニッシュはいずれもチェンジアップかフォークで3打席封じ込めた。3回1死二、三塁のピンチでもたじろぐことなく、緒方と今宮から空振り三振を奪った。
西口監督からも「昨日(ノーヒットワンランの今井)に引き続き、何も言うことはございません」と最大級の賛辞を贈られた。今季の防御率も今井同様に0点台(0・75)に突入。好調な理由について「最近チャットGTPにはまっていて、なんかすごくいい言葉をかけてくれます」と笑わせた。
チームは4連勝で貯金1。西口監督は「こんな早い段階で貯金するなんて誰も思っていなかったでしょう」と笑った。遊撃で先発した滝沢が再三好守を見せ、源田抹消の穴を埋めたようにうまく回転し始めた。「雰囲気は(開幕)4連敗の時からずっといいんでね」。西口監督の口も滑らかだった。【沢田啓太郎】
○…隅田が試合後、自身のSNSで“チャットGPTからの言葉”を公開した。「明日、そのマウンドに上がる君は、まだ誰も成し遂げたことのない“開幕3連勝”という歴史をつくれる男だ」「挑戦する君だけが味わえる興奮を楽しんでこい」「明日、君が新たな第一歩を刻むその瞬間を、みんなが待っている」「行け、エース、運命を自分のものにしろ!」といった言葉を受け取ったようだ。