
<阪神0-3広島>◇19日◇甲子園
打てず、守れず、勝てず…。阪神が今季3度目の完封負けを食らった。首位広島との直接対決で連敗を喫し、ゲーム差は2・5に広がった。2回に木浪聖也内野手(30)の2失策が絡んで3失点。打線も4イニングで得点圏に走者を進めながら、最後まであと1本が出なかった。藤川球児監督(44)は「野球になってないですね」と珍しく苦言。9試合で1勝7敗1分けと苦戦が続くホームで、なんとか現状を打破したい。
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藤川監督は感情を押し殺すように、表情を変えなかった。「この甲子園での戦い方というのを選手たちも含めて、見直させる必要があると思います。しっかりした野球をやらないと。野球になってないですね」。静かな口調ながら、珍しく厳しい言葉を並べた。
2回にまさかのシーンが続いた。広島先頭ファビアンの平凡なゴロを遊撃木浪がジャッグル。その後、2死一、三塁から矢野の三遊間寄りの遊ゴロをさばいて一塁送球するも、高く浮いてしまい適時失策だ。1イニング2失策から、この回一気に3点を失った。
木浪は9回にも打球をそらして1試合3失策。17日ヤクルト戦(神宮)の同点適時失策から、らしくない姿が続く。「自分のせいなので。頑張るだけなので。それだけです、すみません」。試合後は言葉少なに責任を背負った。
先発デュプランティエは5回を自責点0ながら3失点で来日初黒星。藤川監督は「かわいそうでしたね」と思いやった。続けて2回の守備を問われ「まあ使ってる方が悪いでしょうね、はい。こちらの責任だと思います」。指揮官として、矛先を自身に向けた。
この日は打線も最後までかみ合わなかった。2回は前川の三塁打で1死三塁とするも坂本、木浪が続けて内野ゴロ。6回2死満塁の好機では大山が遊ゴロに倒れるなど、4イニングで得点圏に走者を進めながら無得点に終わった。
ここまでホーム9試合を戦い1勝7敗1分け。11日中日戦(甲子園)の白星から2度目の「六甲おろし」が遠い。「やっぱりチームを1つにまとめていかなきゃいけない。1つのチームとしてゲームを運ばなければいけない。やっていきますよ」と指揮官。首位とのゲーム差は2・5。聖地で同一カード3連敗だけは阻止したい。【磯綾乃】
阪神田中内野守備走塁コーチ(木浪の失策について)「この前の神宮(17日ヤクルト戦)のエラーは引きずっていないと思う。ホームグラウンドだしね。もう練習とか、そういう選手ではないので」