
<西武2-1ソフトバンク>◇18日◇ベルーナドーム
西武今井達也投手(26)が「ノーヒットワンラン」で今季2勝目を挙げた。6回までソフトバンク打線をほぼ完璧に抑え、迎えた7回。四球、盗塁などで1死三塁とされ、山川の三ゴロで無安打ながら1失点。快挙を逃した。それでも8回無安打1失点で、今季本拠地初勝利に大きく貢献。開幕から出遅れていたチームを勝率5割に導いた。
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今井がお立ち台で涙を見せた。ライオンズが大好きだ。最近はそれを隠さない。「好き? もちろん、もちろん。みんな、野球に対して一生懸命な姿を知ってますし」。西武愛は周りにもバレている。ベテラン栗山も「イマドキっぽいですけど、会話が始まればそこからはむしろ昭和寄りっぽささえ感じさせる。気持ちで動くほうっすよね」と平成10年生まれのエースを熱く表現する。
渡辺久信前GM(59=日刊スポーツ客員評論家)も「今のライオンズで俺に一番似てるのは達也」と言った。その渡辺氏は退団時に観客の前で堂々と「ライオンズを愛してます」と言った。今井は「かっこいいなと思いました」とその姿に見とれた。「それだけ愛着が深いんだなと。僕もドラフトで指名していただいて、球団には本当に恩があるので」。今もなお、胸に忠義を秘める。最後のガッツポーズが愛の表明だった。【西武担当=金子真仁】