
アルビレックス新潟のMF長谷川元希(26)が加入2年目の今季、開幕から異次元のプレーを連発している。13日のホーム横浜FC戦は0-0に終わったが、前半23分に角度のないところから右足アウトサイドでクロスバーをたたく超絶ショットを放つなど、ファンを魅了した。サポーターが響かせる個人チャントは歌手加山雄三(88)が歌う「夜空の星」。原曲のように輝くファンタジスタが、リーグ戦、そして2つの国内カップ戦でクラブをどこまで連れて行ってくれるのか-。期待せずにはいられない。
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長谷川が自身2シーズン目のJ1で本領を発揮し、違いを見せつけている。13日の第10節横浜FC戦でも好プレーを連発。前半23分にはゴール左から相手GKの頭上を狙う右足アウトサイドシュートを放ち、その後も予想を超えるテクニックで相手を苦しめた。「あれを決めていれば試合は終わっていたと思う。決め切れなかったのが全て」と自らを責めたが、ゴールに迫る姿勢で観客を魅了した。
期待に応える新潟の若大将。サポーターが歌う長谷川の今季個人チャントは、加山の「夜空の星」が原曲だ。
♪僕のゆく所へ ついておいでよ 夜空には あんなに星がひかる
その歌詞通り、輝きを放つファンタジスタは開幕から全試合先発で攻撃をけん引。第4節セレッソ大阪戦の初得点を皮切りにチームトップの4得点を挙げ、J1得点ランクは4位タイを走る。リーグ戦初白星に導いた第9節ヴィッセル神戸戦の決勝点は、あるサッカーゲームのコマンドに例えれば、完璧な「R2+□」(コントロールカーブ)だった。
主に左MFが主戦場だった昨季は公式戦2得点にとどまったが、今季は、より才能が発揮される中央のプレーエリアを与えられ「(攻撃の)経由地点になりながら、最終的に怖いところに入ってゴールを決めてほしい」という樹森監督からの要望に応え続けている。
自在にボールを操る攻撃センスを示しながら、守備でも動き回る、負けず嫌いのサッカー小僧。順調に勝ち上がるルヴァン杯とは対照的に、リーグ戦は1勝5分け4敗とJ2降格圏の18位に沈むが、巻き返しは可能だ。「守備は改善されてきた。次は攻撃陣。全員がギラついてゴールに迫れば怖い攻撃ができる」。ユニホームのエンブレムにタイトルの証しであるチャンピオンスターをもたらすため、長谷川がアクションを起こし続ける。【小林忠】