
<<オリックス-西武>>
<オリックス-西武>◇17日◇京セラドーム大阪
オリックスのドラフト4位山中稜真捕手(24=三菱重工East)がプロ初本塁打を放った。「1番左翼」で出場。初回、先頭で西武上田大河投手(23)の5球目、高めのカットボールをオリ党が待つ右翼席に運んだ。新人選手の「初回先頭打者弾」は球団史上初の快挙となった。
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「どこに出しても恥ずかしくない選手」と語るのは、昨季までプレーした三菱重工Eastの佐伯功監督(50)だ。青学大3年時に初めて見た山中の印象は「バッティングが桁違いに力強い」。ユーティリティーも強みの1つで、社会人時代は一塁や外野を守った。複数ポジションを守る以上、全体練習が終わった後もコーチと守備練習を続けた。佐伯監督は「本当に誠実で、チームメートからの信頼も厚い。後輩が入った時も飯に連れて行って、野球の話をしたり、面倒見の良さがあるというのも耳に入っていました」と振り返る。
プレーだけでなく、人柄も手本となる存在だった。山中は「後輩と話すのも好きなんです」と笑うが、常にチーム全体を見て声をかけていた。朗らかな性格ながら時には周囲を引き締める指導も。恩師は「『社会人としてこうあるべきだよ』という指導もできるような選手でした。ドラフトで呼ばれてうれしかったですけど、こういう選手がいなくなるのはちょっときついなという思いもありました」と語るほどだ。
開幕前日の3月27日には「開幕1軍決まりました」と恩師への連絡を欠かさない律義性格。佐伯監督は「1日でも長くプロの世界で必要とされる選手に育ってほしい」とエールを送った。【オリックス担当=村松万里子】