
<明治安田J1:町田0-2浦和>◇13日◇第10節◇国立
浦和が強敵・町田に2-0で快勝した。圧倒的な存在感を見せたのは、通算634試合出場のGK西川周作(38)だった。最大の武器は守るだけでなく、攻撃のスイッチ役となれること。その持ち味が出た。
1点リードの前半38分、自陣ボックスからセンターサークル内のMF渡辺へ左足で低弾道フィードを送る。フリックしたボールからFW松尾が抜けだしゴールを奪った。「ミスから学んだプレー。その前に(渡辺)凌磨に蹴った時に少し大きくなった。あれじゃ駄目だと修正して低い弾道で攻めた」。加えて「あそこが結構、空くのが見えていた」とも。試合を通してプレーを微調整できるさじ加減こそが、ベテランの味だ。
守っては、クロスからゴール前に圧力をかけてくる相手に立ちふさがった。前半42分には連続して相手シュートをブロックしてゴールにカギをかけた。「守りというよりも、攻撃的にゴール前の空間を守るってことを意識して戦えた」。受け身にならないことが肝要。サッカーとは気持ち対気持ちのぶつかり合いだ。
「この勝利でチームはまた息を吹き返した」。今季3勝目で10位に浮上。それでも西川に満足感はない。ハングリーだからこそ、プレーの味わいはまた深まる。【佐藤隆志】